夏の陽射しの中に、これほど似合う花は少ないように思います。
さるすべり ラジオのほかに 声も無し
夏の昼下がりの気怠い光景が浮かんでくるような句で、私は好きです。
中学校の国語の時間に学んで半世紀、忘れないでいます。
百日紅。中国が原産だという夏を代表する花木の一つで、冬は落葉して幹と枝だけになります。日本にやってきた時代は不明ですが、大和本草(1708年)に載っているということですから、かなり昔だと考えられます。
春に伸びた枝の先端に夏から秋にかけて花を咲かせますが、花色は白、ピンク、紅、紅紫などの種類があります。
花後に球形や楕円形の果実をつけ、熟すとはじけてタネが散ります。
樹皮は、滑らかな褐色で所々はがれて白い肌があらわれ、縞模様になりますが、樹皮のはがれた部分がつるつるしているところから、「猿も滑って落ちる→猿滑り」というのが、名前の由来とされています。
「百日紅」という漢字が当てられている通り、とにかく開花期間が長い。白い花のサルスベリ
紅い花のサルスベリ