ああ、また始まった……。自慢話や愚痴、どうでもいいウンチクの披露など、相手の一方的な話を延々と聞かされるのはいいかげんウンザリです。
そうはいっても「また、その話?」「そろそろ終わりにしてもらえませんか?」などとあからさまな拒否反応を示すわけにもいきません。
相手が上司、クライアント、目上の人だったりすればなおさらです。
相手の感情を害さずにさりげなく長話を打ち切ったり、あるいは会話の流れを変えたりするにはどうすればいいのでしょうか?
テレビ番組キャスター・話し方講師などを務める村松加王里さんの著書『しゃべらない会話術。』を参考に、会話の流れを一瞬で変える5つの手法をお届けします。
1:過去形を使ってまとめる
そろそろ席を立ちたいのに、なかなか相手の話が終わらない。 そんなときは、「~でしたね」と過去形を使って話をまとめましょう。
たとえば、「今日は美味しい食事もできて、勉強になる話も聞けてよかったです。明日さっそく活用したいと思います。ありがとうございました」というふうにです。
「~でした」と過去形でまとめられると、相手は話を続けにくくなるといいます。
さらに、「ありがとうございました」とお礼を言えば、席を立つタイミングも取りやすくなる。
2:あいづちのテンポを変える
一方的にマシンガントークする人の話に疲れてきたら、あいづちのテンポをゆっくりめに変えるといいそうです。話し手のスピードもそれに合わせてスローダウンするので、そのチャンスを逃さずに会話の主導権を握ってしまうとよいそうです。
3:質問で話の方向性を変える
質問には話の焦点を変える力があるといいます。これを活用しない手はありません。
たとえば、「大学時代は強い野球チームに所属していて結構モテたんだよ、それでね」とモテ自慢が始まりそうになったら、「野球ですか! どちらを守っていたんですか?」と“野球”に焦点を絞って質問すれば、話の流れを変えることができる。
相手に好き放題、話をさせるのではなく、キーワードに着目して、さりげなく会話の舵取りをしてしまう。
4:褒めてから切り捨てる
自慢話を制したい場合には、まずは褒めて相手の気分をよくしてから、別の話題に移るとよい。
たとえば、「さすがですね、Aさんだからできたのでしょうね。そういえば、次回のゴルフコンペの日程は、どうなりましたか?」という感じです。
5:突然ハイテンションになる
とにかく強引にでも話題を変えたい! そんなときには、突然のハイテンションで話の流れを変えるという手法もあります。
たとえば、食事をしながら会話をしているときに、「あっ、この珍しい野菜の名前、なんていったっけ?」など、ネタになるものがあれば、何でもOK。
少々唐突に思える話題の転換でも、「ちょうど今そのことに気がついた!」というノリであれば、不自然ではありません。
ただし、流れを変えた後の話題が広がらないと、前の話題に戻る危険性があるので、できるだけ自分の得意とする分野に持っていくようにする。