2020年12月10日木曜日

軍事的脅威に曝されている台湾

 

台湾はどう考えても立派な独立国であると思うのだが、何故か中国の一部であるかのように扱われている。表立ってこれを取り上げることがないけれど、果たしてこのままでいいのだろうか?

 

1949年の中華人民共和国建国後も引き続き存続している中華民国を、正式な国家ではなく「台澎金馬という一つの地域を統治する政治的実体」として扱う政治的な概念が定着してしまっているようだ。

これは、国共内戦を経て中国が社会主義陣営の中華人民共和国と自由主義陣営の中華民国とに分裂したことで発生した概念であるようだ。

本来、「中国統治の正統性を唯一有する国家」は中華民国のみであったが、中華人民共和国が成立したことにより、「中国統治の正統性を唯一有する国家」を自称する2つの政治的存在が並立し、それぞれが相手方の国家としての正統性を否定する事態となった。

その後、冷戦下における微妙な軍事・政治バランスの中、1971年に国際連合で中華人民共和国が中国の代表兼を取得すると、多くの国が中華人民共和国を「正統な中国政府」として承認し、中華民国を正式な国家として扱わなくなった。

だが、国交断絶以降も中華民国との非公式な関係維持を望む資本主義陣営のアメリカ合衆国や日本国等の国々では、中華民国が実効支配している地域を中華人民共和国の統治地域とは別個の「地域」と判断して、「台湾」という地域名称で呼称し始めた。

 

子供の頃には「国姓爺合戦」という物語を夢中になって読んだ記憶がある。筋は覚えていないが台湾が舞台の話であった。

台湾は原住民が主に居住していた島である。1662年、明朝再興派の支持者である鄭成功は侵略者である0ランダを追放し、同島初の政治的実体である東寧王国を設立した。

清国は後に同王国を破り、台湾島を併合したが、1895年の日清戦争の結果として下関条約が締結されると、台湾島・澎湖諸島は清から日本に割譲されて台湾総督府が統治する日本領台湾になった。

中華民国は1943年にカイロ宣言で台湾(台湾島・澎湖諸島)を「日本が清から盗取した中華民国に返還すべき地」と定めた。1945年、中華民国は台湾にある日本の統治機構を接収し、台湾省として自国の一部に編入した(台湾光復)。

国共内戦の末、中華民国は1949年に政府を中国大陸から台湾島へと移転。国連における中国の議席は1971年のアルバニア決議によって中華人民共和国が継承した。

中華民国は1992年以降、中国大陸の主権を取り戻すことを放棄しているが、中華人民共和国は一つの中国方針に基づき台湾が「中華人民共和国統治権下の台湾省」になることを求めている。

20世紀後半に台湾は急速な経済成長及び工業化を成し遂げ、現在では先進国である。

1980年代及び1990年代初頭、普通選挙で複数政党制民主主義に発達した。台湾はアジア四小龍の一角であり、WTO及びAPEC加盟地域である。世界第21位の経済規模を有し、世界経済においてハイテク産業は重要な役割を担っている。台湾は言論の自由、報道の自由、医療、公教育、経済的自由、男女平等、人間開発の観点から上位に順位付けされている。

世界で最も裕福な国トップ29では、台湾は世界で19番目に裕福な国である。

 

国姓爺の名で知られ、日台共通の英雄として名高い鄭成功は、父親である鄭芝龍と日本人の母親である田川マツの間に生まれた。

台湾が中国の支配下に組み込まれたら、アジアの軍事的・政治的・経済的なバランスが崩れる。

日本への影響も大きい。

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私が書いた小説 「夏風越の(なつかざこしの)」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887709936/episodes/1177354054887713218

「鵯越え」・・・・「夏風越の)」の続編です

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「くぬぎ越え」・・・夏風越の)」の続々編です

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