2020年12月26日土曜日

もっと自信を持つべき

 

なにかにつけて日本は駄目だ駄目だという論調を示すことには熱心だが、日本の優れたところを紹介することには報道の目がいかないのは何故だろう。

日本は素材の分野では世界に冠たるものが多く、自信を持って然るべしだと思う。

 

鉄より強い紙。これが実用化されたら素材産業は変わる。

紙の原料であるパルプは、樹木の繊維である。そしてパルプは、もっと細かい繊維、セルロースナノファイバー(CNF)が集まってできている。その太さは、髪の毛の5,000分の1から、1万分の1程度。それなのに、強度は鉄の5倍、重さは鉄の5分の1とも7分の1とも言われます。 CNFは、これまでの常識を一変させるかもしれない新素材として、熱い注目を集めています。

CNF製造技術のブレークスルーは、2006年に起こりました。東京大学農学生命科学研究科教授の磯貝明教授らのチームが、「TEMPO(テンポ)」と呼ばれる薬品を使って、パルプの表面を酸化させることで、限界までバラバラにする方法を世界で初めて発見したのです。これによって、従来の100分の1のエネルギーでCNFが作れるようになりました。

磯貝教授らはCNF実用化への道を開いたことなどにより、2015年に「森林・木材科学分野のノーベル賞」と言われるマルクス・バーレンベリ賞を受賞しています。

 カーボンナノチューブは日本で初めて発見された新素材です。1991年に飯島澄男さんが構造を解明しました。カーボンナノチューブはその名の通り、炭素原子同士が蜂の巣状に結合し、チューブ(筒)状になった構造をしています。直径は数ナノメートル(ナノは10億分の1)で、複数層のものを「多層カーボンナノチューブ」、1層のものを「単層カーボンナノチューブ」と呼んでいます。
 なかでも単層カーボンナノチューブは、多層カーボンナノチューブに比べて、極めて高い性能を示しており、軽量でありながら、強度は鋼の20倍、熱伝導性は銅の10倍、電気伝導性は銅の1000倍と、極めて優れた素材としての注目を集めています。

 この素材の活用に向け、世界各国で、その生産技術の研究開発が進められていましたが、なかなか量産化には至りませんでした。

 

カーボンといえば、我々の同期である元島栖二氏が21世紀の新素材として注目される「カーボンマイクロコイル」(CMC)を世界で初めて発見・開発し、その功績で文部科学大臣から科学技術大賞(研究部門)を受賞している。

日本は素材の分野での研究が進んでいて、研究成果も多い。

これらは軍事に転用される可能性は高いが、その研究を目の敵にしていたら科学の発展は望むべくもない。人間がそれらをいかに活用するかということである。

 


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