近所に小さな構えの神社があります。二百数十年の歴史をもつと言われていますが、近在の住人以外に訪れる人は少ない地域守護の神様です。
朝の散歩がてら参拝していたら、宮司が出てきて、初めて言葉を交わしました。
ここの境内には、むくろじ樹木の大木があります。
むくろ樹からは、追羽根(羽根つき)の芯になる硬くて黒い実がとれます。
そんな話をしていたら、むくろ樹の実は鳥が飛んできて食べるのだという。
「えっ、あんな硬い実をですか?」と聞くと、「実を包んでいる殻ごと食べて、硬い実の部分は糞と一緒に落としてゆくのです。」とのこと。
その実からは、頼りない茎が伸びるのだが、目立たないから刈り取られてしまうことが多いのだけれど、一本だけ伸びるその細い茎は、三年程たつと二股に枝分かれし、その後はどんどん枝が出てきて、あっという間に大木になるのだとか。
ちょっと言葉を交わすだけで、知らなかったことを教えてもらうことができ、有難いことでした。
隣の駐車場との境にあって、四月初旬に赤や白の綺麗な花をつける樹木があるのですが、それは「箒桃」というのだとも教えてもらいました。
長生きすれば幸多し。
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