2014年11月19日水曜日

自分ができた事よりしてもらった事の方を覚えていると仰る人間国宝


日本に限らず、伝統工芸の技術を継承する若者は少なくなったようです。

 

チェコには、緻密で美しい白糸刺繍「ズブジー刺繍」というのがあります。

ピアニストである息子は、ピアノの練習を始める前に集中力を高めるのに、この緻密な刺繍に取り組むと良いのではと思ったことがきっかけで、習い始めました。

付いたお師匠さんは、日本でいえば人間国宝のような立場にあるマリエ・ビルハロヴァー先生でした。

自国の若者でももうやらなくなってしまった技を、東洋人が習いに来たと言うので殊の外喜び、

親身になって教えて下さり、日本に帰国することが決まったときには、お墨付き(ライセンス)まで出してくれました。

 

この人間国宝である先生が仰るのに「若い時は、これができたあれができるようになったというのが喜びであったが、年を経て感じることは、自分がしたことより人からして頂いたことの方が、より心に残っている。」ということなのです。

お陰様でと日本ではよくいいますが、人への感謝の気持ちが溢れてくるのだといいます。

 

そして、年寄が集まると、「年をとったら自宅に籠っていてはだめよ。ますます身綺麗にして、ときには外にでるようにしないと・・・。そうすると、まだ自分にも人様のお役に立てることがあるのだと気づき、そこに喜びが生まれるのよ。」と話されるのだとか。

 

なりふり構わずにいると気持も緩み、自堕落になるのだと反省させられます。

 

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