2015年11月15日日曜日

前の時代の方が良かったと言われたら困る

国体を長く護持するのは難しい。
王朝が次々に変わった歴史を持つ国というのがある。

易姓革命(えきせいかくめい)とは、古代中国において、孟子らの儒教に基づく五行思想 などから王朝の交代を説明した理論です。
簡略していうなら、 天は己に成り代わって王朝に地上を 治めさせるが、徳を失った王朝に対し天が見切りをつけたとき、革命(天命を革める)が起こって現政権を根絶やしにし新たな王朝ができるということ。

即ち、人民に対して新たな政権の正統性を主張するのに理由づけとして必要なことであった。
建国のための理由としては、「徳を失った王(政権)を廃して」とか、「戦争に勝利して外敵を駆逐するのに中心的役割を果たした」とか、「選挙により国民の絶対的支持を受けて独立した」とかが必要である。

そのいずれもに脆弱な基盤しか持てないと、国民の不平不満や政権の正統性への疑義の目を逸らすために、外に敵を作らざるを得ない。
「前の時代の方が良かった」と言われると困ったことになるから、そのような意見をいう人を徹底的に粛清するし、自分たちに都合の良い教育を、国民に施すことになる。

なりふり構わず歴史も自国向けに解釈したり改竄したりするし、言論も弾圧して建国時以来の都合を信じ込ませるように仕向ける。

歴史資料は世界中に山ほどあるし、自由に調べたり研究したり、ものを言ったりすることができる国であれば、時間の経過とともに真実の事実関係を良くも悪くも知るに至り、公平な判断をすることができるようになるが、そうでない国は将来に禍根を残すおそれを内在してしまう。

時代を経るにつれ、教育や宣伝により感情に刷り込まれてしまったことは、ある日真実を知ったとき、自己崩壊を起こしかねないからです。

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