2021年1月22日金曜日

新政権はなにか手を打てるだろうか

 

海洋法に関する国際連合条約では、「島」は「自然に形成された陸地」(第121条第1項)と定義されている。そのため、人工島は国際海洋法上、島とは見なされず、ローズ島共和国や南沙諸島海域における中華人民共和国の人工島建設のように造成された土地を領土と主張することは国際的に認められていない。

沖合にある人工島は、恒久的な港湾工作物とは見なされず、領海の画定に影響を及ぼさない(第11条)。

沿岸国は、自国の排他的経済水域あるいは大陸棚内での人工島の設置・利用に関する排他的権利を持つ(第56条第1項、第60条、第80条)。ただし、人工島は島の地位を有せず、それ自体の領海を持たない。また、人工島の建設によって、領海・排他的経済水域・大陸棚の境界画定に影響が及ぶことはない(第60条第8項)。

公海においては、国際法によって認められる限りにおいて、すべての国が人工島を建設する権利を持つ(第87条)。

 

国際法上の島の定義、すなわち排他的経済水域(以下、EEZ)及び大陸棚を有する「島」か、そうでない「岩」かの区別を行う、次の1カ条で構成されています: 

 第121条(島の制度)
 1. 島とは、自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるものをいう。
 2. 3に定める場合を除くほか、島の領海、接続水域、排他的経済水域及び大陸棚は、他の領土に適用されるこの条約の規定に従って決定される。
 3. 人間の居住又は独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域又は大陸棚を有しない。

 シンプルな規定ですが、それだけに「混乱と衝突のための完璧なレシピ」とも呼ばれ、実際に学説上も国家実行上も、統一的な理解が得られないまま、今日に至っています。

 

海面下にある岩礁地帯を埋め立てて陸地を造り、そこに軍事施設を構築して世界の物流量の4分の1を占めるともいわれる航海の自由を脅かすなどということを放置したままでよい筈がない。

それでなくとも近隣諸国との軋轢は継続していて、ハーグでの国際裁判では中国の主張は退けられている。

オバマ政権が手を拱いているだけで対応しなかったことによる弊害ではないのか。

米国は新しい政権に移行したけれど、この人工島は米中関係にとって最大の懸案の一つであろうから、今後どのように対応するか注目したい。


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