2019年4月21日日曜日

EU諸国は問題含み


ブレグジット、いわゆる英国のEU離脱問題は、ゴタゴタしているという印象での報道しかされないから解りにくい。
専門家ではないから、簡単に整理して考えてみることにした。
そもそもイギリスがEUを離脱しようと思ったのは、世界中の左派やマスコミが喧伝するグローバリズムということに疑問を持ったからではなかろうか。
国家としての意思を明確にしにくいのは、統合した圏内にとどまっていれば当然制限されるのだから仕方ない。

国民投票までして離脱ということに決したのだが、賛否はほんの数パーセントであった。
それでも、離脱という事に決まったことは間違いない。
民主主義国を自慢していたのに、手続きを経て決した結論に従いたくない人が多すぎて収まりがつかない。
国際協定によりEUに加盟していたのであるから、当然のことながら離脱には条件が付される。
加盟国が減ることを嫌がるEU側と、離脱したい英国がすんなり合意できる筈がない。
離脱した後、英国がそれにより成功したら目も当てられない。離脱する国が次々に出てきてしまう恐れだってあるから、条件はきつくなる。

メイ首相が折衝した結果の合意案は、英国議会の承認を得なければならないのは当然であるが、この合意案というのが玉虫色で、主権国家として英国が独自性を出せる内容とは程遠かったということであろう。
英国は英国で爆弾を抱えている。北アイルランド問題である。
英国はカトリック、北アイルランドはプロテスタントであるという宗教上の問題もあって、テロなど多くの争いが過去に頻発したが、EU加盟ということで国境問題は取り敢えず収まっていた。しかし、離脱という事になればそれが再燃する。

議会内には、何でも反対の労働党もいる。そもそも労働党は離脱反対であった。
どうも合意内容が反対される原因は、離脱によって変わることが少ないからのように思える。
二国間の貿易協定は駄目らしいし、外国人の逮捕強制送還も制限されるのだという。
離脱の原因の一つであった理由は、無制限に流入する外国人に仕事を奪われ・文化を壊され、今までに貯め込んできた社会保障費を、それら外国人にも使われてしまうということへの不満があった。それに手を付けることができなければ、確かに離脱の意味がない。

関税問題など煩雑な手続きは、今のままの方が楽だという判断もあるのだろう。
しかし、そんなのはすぐに締結しなおせる筈である。
ドイツは工業製品の、フランスは農産物の輸出先であるイギリスを手放せない。
関税協定を結びなおしたいのは、EU側の諸国なのではないのか?
楽をしてうまい汁を吸い合うなどということはできないのに、関税問題が大変だ大変だと騒いでいるように思える。

外野席からだから気楽にものを言えるのかも知れませんが、合意なき離脱であっても、ズルズル長引かせるよりいいのではないかと思える。
リスクはあるだろうが、けっこううまくいくのではなかろうか。現に世界各国はそれでやっているのである。

離脱というのは、いうなれば独立戦争のようなもの。
戦後は何もない所から始まる。当初しばらくは経済的に下降するかもしれないにしても、すぐに復興できる。
多くの国が共同で何かをやるには、まだまだ無理があるのではなかろうか。国連もまた然り。

例えばであるが、東洋にEUのようなものを想定してみるに、日本・中国・韓国が一緒になってうまく行くことなぞ土台考えられない。
主権国家というのは、長期にわたって培ってきた民度の差というのが厳然としてある。無理して一緒になるより、互いを認め尊重し合う方が穏やかに付き合える。
経済だけをまとめようとしても、他がついていかない。

EU内の国々には、外国人の受け入れに反対する政党が議席を伸ばしているという現実がある。

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