2016年12月29日木曜日

ホウレンソウが美味しい季節になった

「栗の季節になったら、栗ご飯をたべさせてね。」というのが、家内と一緒になるときのただ一つの約束であった。多くを望まれてはいない。

昔は、何もなくて結婚するのが当たり前の時代があって、蜜柑箱(昔はダンボールではなく、木製の丈夫な箱だった。)と鍋一つだけで所帯を持つ人が多かった。
それらの誰もが、二人で協力して生活を整えていく喜びを共有できていた。

栗の時季に栗を食べる。旬を大切にしたということでもある。
今の時季、霜の当たったホウレンソウは柔らかくて美味しいし、葱は甘みを増している。
獲り入れて休ませた里芋は、皮を薄く剥いて煮て食べると旨い。
家庭料理として食べるときは皮を薄くむくが、客などが大勢集まるときは、思い切って厚く剥き、面取りを施して料理した。みんなの角が立たないようにするという配慮をしたのである。

そのころの主婦は、玄関先に突然の訪問者があると、エプロンをはずし髪を手でなでつけてから応対に出るという配慮をした。
人に対する気遣いを自然にしていた。

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