2018年9月1日土曜日

大事にしてきたものが底力となった

世界の国土面積の僅か0.2パーセント、人口は1.7パーセントを占めるのみ、しかも資源国とはとても言えない日本が、一時はGDPで世界2位となるほど発展した。

敗戦により壊滅的な打撃を蒙っていたところから、半世紀もかからずにそこまで成し遂げたのである。
それにはどんな力が働いたのだろうか。

戦後、復興のために命がけで働いてくれた先人たちの努力は勿論大きいが、長きにわたって培われていた国民全体の教育的資質も大きかったのだと思う。
古来から、日本人の識字率は世界に比べ圧倒的であった。
日本には神代文字と呼ばれるものが確かに存在していたようだが、漢字文化を取り入れ広く用いられる環境を作った。
その漢字も、平仮名や片仮名をつくることで、日本語の活用に昇華したことも凄い。

万葉集は、7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本に現存する最古の和歌集である。
天皇、貴族から下級官人、防人などさまざまな身分の人間が詠んだ歌を4500首以上も集めたもので、成立は759年。こんな国は世界中のどこにもない。
その素養の程には感嘆するばかりである。
江戸時代になると、男女ともに文字を読み書きできることでは、世界に比肩できる国はなかった。

国是は和をもって尊しとなすであり、突出した個人の能力というより協力しての総合力というところにも特徴があったのではなかろうか。
近年、個人の損得や他との競争の方が優先される風潮ができてから、日本の発展に翳りが見えてきたように感じられてならない。

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