2014年7月26日土曜日

オーストリア人が真似するようになった 日本の食事前の作法


もうかなり前のことになります。

息子がザルツブルクに留学していたころ、彼が親しくなったハプスブルグ一門の旧侯爵家の御曹司に招かれて、妻と息子と三人で伺って夕食をご一緒したことがありました。

 

ナイフとフォークを取る前に、その御曹司が日本語で「ITADAKIMASU」と両手を合わせたので、かなり吃驚し、日本人の客に合わせたマナーなのかと感じ入ったのでした。

 

あとで息子に聞いたところ、そうではないんだ。僕が食事の前にいつも手を合わせて「いただきます」と言っているのを見て、「そのITADAKIMASUという祈りは何なのか?」と聞かれたので、

「人間は、動物にしろ植物にしろ、他の命を食べることなしには生きられない。だから日本では、『貴方の命を私の中の命として頂きます。』という感謝の気持ちを表すために、食前の挨拶として誰もが口にするのです。」と答えたところ、いたく感激して、爾来、食事の前には「いただきます」と言うようになったのだとのことでした。

 

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