2015年12月25日金曜日

異常な状態になれば人は恐ろしい

戦争などは割に合わないし、それが嫌だと思わない人は皆無だと思うが、過去には数多くの戦争があり、今もそれが絶えることなく続いている。
戦争による死者については、国際条約により禁じられていた一般市民への攻撃もあったから、その数を明確に補足する資料も少ないか隠されるかしていて、国ごとの主張は異なる。
戦争と言えるかどうかだが(相手国がなく自国内のことということで)、内戦による自国民の殺害という事ならば、死者の多さの一番はおそらくは中国でしょうし、戦争ではない粛清などによる自国民の殺害ならばソ連かもしれません。
また総人口に対する国民の殺害率ならばポルポト政権下のカンボジアは凄まじい。

そもそも敵対国家の一般市民を殺害するというのは非効率的だから、近代以降はそれほど大規模には行われなかったのではないだろうか?
戦勝後の税徴の基盤であり、国家に対して大した権利も持たない一般市民は殺すほうが損だと考えるのが普通のことだからである。

中国の共産革命の事実は、共産軍が占領した地域では地主・富農・国民党幹部に対する公開処刑が大々的に行われ、その数は1千万人以上にのぼったと推定される。

大戦終結後の中国では、「大躍進政策」「文化大革命」で3000万人~8000万の自国民を殺したといわれているが、秘密のベールに隠されている。 第2次大戦の犠牲者を大幅に超える可能性もある、世界最悪の虐殺といえるのだはなかろうか。
学生を扇動し軍隊を出して、教師などの知識人や、中国国民党と関わりのあったものを言いがかりを付けてリンチし、1000万人~3000万人を虐殺したとも言われる。
他に天安門事件というのもあるが、極秘扱いらしいから死者数は推測の域を出ない。

日本と韓国では知名度の低い「保導連盟事件」というのがある。
1950年に朝鮮戦争が勃発すると、李承晩大統領の命令によって、軍や警察、共産主義からの脱却を目指す人間、政治犯や民間人など、少なくとも120万人あまりを大量虐殺した。
朝鮮戦争の初期に、韓国政府によって子供を含む少なくとも10万人以上の人々を殺害、かれらは排水溝や炭鉱や海に遺棄されたという。
韓国では近年まで事件に触れることもタブー視されている

総人口800万足らずのカンボジアでは、ポルポトにより200万から300万近くの人間が虐殺された。正確な死者数はわからないが、この前代未聞の大量虐殺は、わずか4年間で達成されたのであるから凄まじい。知識人と言われた人々にいたっては、実に6割以上が殺されたという。

ナチスのせいにされてしまっているが、ポーランドではユダヤ人総人口の9割がホロコーストで死滅したとされている。
「劣等民族」または「不穏分子」としてシンティ・ロマ人(約20万人)、ポーランド人、セルビア人(50万から120万人)、ロシア人、スラブ人、知的障害者、精神病者、同性愛者、黒人、エホバの証人、共産主義者、無政府主義者、反ナチ運動家なども殺害したとされる。
殺害されたこれらマイノリティーの合計は、900万人とも1100 万人とも言われる。

ソ連のスターリンは、反対派を皆殺しにした。
1000万人の強制集団農場化に反対した富農層(クラーク)を、銃殺、あるいはシベリア流刑で完全に撲滅した。

これらの歴史が白日の下に晒されることは無いのかもしれない。
人間は平和なときは良いが、戦争という異常事態に巻き込まれれば、常軌を逸して残虐なことをもしてしまう側面を持つ。
であるなら、戦争に至らないで済む抑止力というのは必要であるし、そうであってこそ話し合いの場が優先されるようになるのではなかろうか。


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