2019年1月3日木曜日

出汁を駆使する食文化


おせち料理を頂くと特に思うのだが、日本料理は世界に冠たる伝統に裏打ちされた文化だと有難く思って美味しく頂いている。有難いことである。
味といい、色使いといい、器といい、盛り付けといい、長い伝統に培われた深みがある。
料理の頭に国名がついている(例えば、日本料理・中華料理・フランス料理・イタリア料理)だけで、その国の文化の高さを感じさせる。

日本料理といえば、旬の食材を巧みに使うこともさることながら、出汁というのも大きな意味を持っている。
出汁は出汁そのものを主張することなく、扱う食材と一緒になることで相互に引き立てあい、総合力として食べ物の美味しさを品よく格別なものとする。
食文化によって各種存在するが、だしの材料として味を高める素と知られているグルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸、などを多く含む食材が各国でも利用されている。
日本料理において、だしは味の基礎となっているから、昔からその抽出方法には工夫が凝らされてきた。
代表的なものは、鰹節と昆布である。他にも椎茸や野菜、魚のアラや煮干しなど様々なだしがある。昆布は、昆布そのものも日本人は食するが、昆布の消化酵素を持っている民族は少ないらしい。
西洋料理では、本来、だしには牛・鶏・魚・野菜・香草などが用いられ、日本のように鰹節や昆布を使うことは無かったが、近年は日本料理の影響を大きく受けたことで、鰹節や昆布のだしを使ったフレンチやイタリアンが普通に見られるようになっているのだという。
衣食住は人が生きていく上で重要な要件であるが、美味しいものを食べる(食べさせる)ことでの豊かさをを追求してきた先人たちの努力に感謝するしかない。

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