2018年5月11日金曜日

米朝会談ができなくなったら困った北朝鮮

南北朝鮮の首脳会談を受けて、米朝首脳会談が持たれるということにはなったが、いざそうなったときに、金正恩氏が緊急再訪中し1日待たされて後、習近平主席と会談したのはなぜか?
外交や軍事の専門家、或いは識者と言われる方々がいろいろ難しい分析をしているが、素人が見ていて感じることがそれほど的外れだとは思えない。

どういう要素が中核にあるかということだけを単純に見れば、そういうことなのではないかと思うのです。
まず、米国が要求しているのは核の全面廃棄であり、これは国際的にも合意されている事項であり、これについて譲歩することはあり得ない。
一方、北朝鮮は国の体制を維持するために核を保有するということだけを目指してきたが、それに拘っていると最早体制維持どころの騒ぎではない状況に追い込まれた。
経済制裁ものっぴきならないところまで来ている。
何とか生き延びる方法を取らざるを得ないということである。

親北というよりは従北と言った方がふさわしい文大統領が、オリンピックを契機に擦り寄ってきたのを幸い、米朝会談の機運を作り上げることまでは成功した。
しかし、米国が今まで言ってきたことから譲歩する動きは一切見えず、イランとの核合意を破棄したことでも解るように、強硬姿勢を崩してはいない。

合意のできないような条件をつけて会談をしようとしたら、米朝会談そのものができなくなる可能性が高い。合意ができない首脳会談は開かれないというのが国際常識である。
米朝が戦争を起こさないようにするのが韓国の立場だ、などと能天気なことを言っている文大統領が、米国の信頼を得られていないということは百も承知だから、韓国を介してということは頼りにならない。
米国が本気になって軍事力を行使したら、短時日のうちに北朝鮮が壊滅してしまうであろうという恐怖は、金正恩氏が誰よりも理解しているであろう。

全面核廃棄・恒久的非核化、又は無条件で降参、あるいは今まで通りつっぱって頑張るというくらいしか選択肢がない。いままで嘘をいって時間稼ぎをしてきたようなことが今後も通用する筈がない。
関係が悪化していた中国に膝を屈してでも、後ろ盾になってもらう他ないということで、中国に頼みに行ったのだというのが、細かいことを抜きにして大まかな捉え方ではなかろうか。

人質は解放したし、残っているカードは無い。
会談開催地もピョンヤンでも、韓国の影響が出そうな板門店でもなくシンガポール(安倍総理が奨めていたとも聞く)で決まりそうである。

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