2020年11月16日月曜日

そこらじゅうで訴訟に負けている?

 

韓国のLG電子およびLGディスプレイと日本のソニーが、ドイツで起こされた特許侵害訴訟で共に敗訴したことが分かった。相手は「特許の怪物」と呼ばれる欧州企業である。 
有機発光ダイオード(OLED)市場に特化したアイルランドのライセンス企業であるソラス社(Solas OLED Ltd)が、LG電子とLGディスプレイ、ソニーを相手にドイツで起こした特許侵害訴訟で勝訴したことが分かった。

 

ソラス社(12日)によると、ドイツのマンハイム地方裁判所(裁判所照会番号 7 O 37/19)は、LG電子等が発光ダイオードの制御回路に関するソラスのドイツ特許「DE 102 54 511 B4」を侵害したと判断した。問題の技術はLGとソニー製の一部のOLEDテレビスクリーンに使われている。

韓国の東亜日報(12日)は、ソラス社について、「欧米などで特許を買い入れた後、訴訟をかける《パテント・トロール》として知られている企業である」とし、9月にも米国国際貿易委員会(ITC)に、サムスン電子とLG電子、アップルなどを提訴したと伝えた。

パテント・トロールは、製品を製造・販売せず特許のみを保有して使用料を受けることを目的とする企業をいう。東亜日報は、「実際に使用していない特許を安値で買い集め、企業を相手に訴訟を乱発するケースが頻繁にみられ、モンスターに例えられる」と指摘している。

ソラスのキアラン・オガーラ(Ciaran O’Gara)マネージングディレクターは、「判決、とりわけ、侵害者に対してライセンス取得を促すための当社のような特許ライセンス企業の差し止め命令主張の取り組みが特許制度と適切な法的・経済的秩序の固有の一部であることを裁判所が認めたことを喜んでいる。革新者が利益を受け、革新継続を助長されるのは、この制度を通じてである」と述べている。

ソラスによると、この判決の結果、被告らは特にドイツで侵害商品の販売を停止、断念し、すべての侵害商品を法人顧客から回収する必要がある。また、被告らは20094月にさかのぼってドイツでの侵害商品の販売で与えた損害額の確定に必要な取引明細報告をソラスに提出しなければならないという。

東亜日報によると、LG側は即時控訴すると明らかにしたとされ、当該特許自体が無効訴訟も別途進行中であると明らかにした。ソニー側の対応については現在のところ明らかになっていない。

 

OLEDとは有機発光ダイオードのこと。韓国では、液晶パネル技術が中国にキャッチアップされて競争力を失い、有機パネルに転身を図ろうとしているだけに、打撃が大きい。

 


0 件のコメント:

コメントを投稿