2020年11月5日木曜日

戦争したかったのは日本ではなかった

 

玉音放送に聞き入る場面を映した写真を見た。

そこに写っている女性たちは身紛こそまずしいとはいえ、胸を突かれる程に皆美しい。

敗れたことを知ってもなお、毅然たる姿を自然に醸し出せる精神的背景は一体何なのだろう。

それ以前の日本の歴史を全部否定しなければならないのだとは、とても思えない。

 

FREEDOM BETRAYEDという本が発行され、伏せられていた歴史に日が差したようである。

 本書は、第31代アメリカ大統領ハーバート・フーバー(任期192933)が、第二次世界大戦の過程を詳細に検証した回顧録なのだという。

第二次世界大戦とは何だったのか――。

従来の見方とは真っ向から対立する歴史観をもつ本書は、長い間、公にされませんでしたが、2011年に米国フーバー研究所から刊行され話題を呼んでいるのだという。さまざまな情報にアクセスできたアメリカの政治指導者が、20年の歳月をかけて完成させた第一級の史料です。

『裏切られた自由』と訳されている本書は膨大な量である。

訳は、1941年以前の対日関係を詳しく記すことを目的としていないというが、我が国が戦争に突入することになった直接の原因に日本がなっている以上、真珠湾攻撃に至るまでの経緯を書かないわけにはいかない、とはしている。

アメリカ政府は(対日交渉の経緯を)国民に隠していた。そしてその後の教育でも、何があったかの歴史の真実を教えていない。だからこそ、対日交渉の経緯はしっかりと書いておかなくてはならない、というのが訳本にあたっての考え方だという。

《国民も議会も我が国(アメリカ)の参戦に強く反対であった。したがって、大勢をひっくり返して参戦を可能にするのは、ドイツあるいは日本による我が国への明白な反米行為だけであった。ワシントンの政権上層部にも同じように考える者がいた。彼らは事態をその方向に進めようとした。つまり我が国を攻撃させるように仕向けることを狙ったのである。》

《ハルは自身の回顧録の中で、ここ(本書)で記した日本政府との交渉の模様をほとんど書いていない。そして交渉についてはただ否定的に書いている。……その文章には真実がほとんど書かれていない。》

今になって言えることは、これをされたら如何なる国であっても戦争を選択するよりなかったであろうと思える。

勝てば官軍。日本人は負ければそれを受け入れることに慣れていたから、敗戦後、占領軍の施策に従ったことはやむを得ないが、故なき誹謗まで容認し続けることからは脱却した方がよい。

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私が書いた小説 「夏風越の(なつかざこしの)」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054887709936/episodes/1177354054887713218

「鵯越え」・・・・「夏風越の)」の続編です

https://kakuyomu.jp/works/1177354054935239046/episodes/1177354054935239209

「不器用者の義」

http://www.kng2321-cbs.com/bukiyoumononogi.html

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