コンサートホールに行くとクロークがあって、そこでコートや手荷物を預けます。
座席が狭いから邪魔にならないようにとか、周りに迷惑がかからないようにということもありますが、ホールの残響時間に影響を及ぼすからということでもあります。
美しい音色というのは、ホールの残響時間によって大きく左右されます。
普通、残響時間は1.5秒から2秒くらいが必要とされますが、ホールの設計上のつくりだけではなく、観客の衣服に吸収されてしまう音の量にも影響を受けます。
ピアニストでもある倅は、コンサート会場に入ると、会場の係員にホールの音の減衰時間を確認してからリハーサルで入念にチェックしています。
無音無振動でということを求めますので、親と言えどリハーサル中の会場には入らないようにしています。
演奏が始まってしまってからは、プログラムを捲る音や、酷い時には携帯電話のメールチェック音や飴の紙を剥がす音を立てられても仕方ないとしていますが、集中して弾いていても、後から聞いてみると客席のどのあたりからどのような音がしたかをよく覚えています。
そんなこともあって、プログラムの用紙は多少動かしても音が出にくい紙を選ぶなどして工夫しています。
良い音楽、良い音を聴いてもらいたいと心底から思っているからです。
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