神社によっては、参道脇にサザレイシが置いてあることがあります。
気づかずに通り過ぎてしまえばそれまでなのですが、目に留まれば、それは若い人に薀蓄を語る材料になります。
この石を見た大昔の人は、石は砕けて砂になるのではなくて、育って大きな岩になるのだと思いました。
千代に八千代に サザレイシの巌となりて 苔のむすまで
では、サザレイシというのは何かということになるのですが、天女が3000年に1回天界から降りてきて浜辺で遊ぶとき、濡れないように羽衣を脱いで岩の上に懸けます。
夕方になって天界に帰るとき、岩の上の羽衣を取るのですが、そのときに羽衣と岩が擦れてできる埃のように小さいものがサザレイシということです。
そのサザレイシが段々育って巌のように大きくなり、更にそこに苔がむすまでと言ったら、もう気が遠くなるほどの時間年月となります。
実際のサザレイシというのは「石灰質角礫岩」といって、小さな石の欠片の隙間を、長年月かけることで石から溶解してでてくる炭酸カルシュームや水酸化鉄が、周りの砂や小石を固めて大きくなったものです。
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