2015年8月22日土曜日

食糧不足になったときの対応がこの先できるようにしておかないと

日本の農業は守られている。補助金も出ている。
だから、農家をあまやかしてばかりいないで、「自由競争に打ち勝てるように改革すれば良いのだ」という声ばかり聞いて、私もそうなのだとばかり思っていました。
だけど、本当に関税の自由化をやっても良いのだろうか?

というのは、日本が税金によって保護されているのは15.6パーセントで世界でも最も低く、アメリカのそれは50パーセントだと聞いたからです。
米国の人件費は日本の比ではなく高いから、税金からの直接支払なしにでは世界で太刀打ちできない。
しかも、米国の農産物は輸出補助金まであるというから、関税どころの話しではない。

人件費の高いヨーロッパ諸国の農産物に対する税金からの直接支払いは、もっと凄まじく90パーセントにも及ぶ手厚い保護を受けているのだという。
何故にそうなるのかと言えば、安全保障上の問題につきあたる。
国境付近で農業を営む人たちが、所得が確保できず農業を諦めてそこを離れたら、近隣諸国から侵入されることになる。自国民が住み続ける必要性が大きいのである。

更に考えに入れておかなければならないことには、近年世界各国で旱魃や水害による食料の減産がある。
世界の人口が増加している中、食糧不足が起こるであろうことは予想に難くない。自国の食糧が不足したら輸出に規制を懸けるであろうことは自明の理。
食糧安全保障の観点からも、食糧の自給率を保持しておかなければなるまい。

競争力のある農産物を生産して・・・というのも大事なことではあろうが、そんなお花畑のようなことを言ってはいられないほどに世界の実情は厳しいのだということを知らないと、判断を誤る。
責任を負うのは、知らないで能天気な判断に乗った国民なのだということにならないようにしなくてはなるまい。

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