ピアニストである息子のファンに、90歳を越えたご婦人がいます。
ご高齢にもかかわらず、リサイタルには毎年欠かさず聴きにきてくださいますし、ご本人も未だにバッハのイタリア協奏曲を弾きこなします。
数年前に医者であったご主人を亡くしたのですが「いつも一緒に居ると思うから、ちっとも寂しくない。」とおっしゃいます。
仲のよいご夫婦だと前々から思っていたのですが「とんでもない。主人の良いところが解ってきたのは、70歳を過ぎてからで、それまでは闘争に明け暮れたのです。」と朗らかに笑う。
年を召された方たちの仰ることの橋端には含蓄がある。
聞いているだけでも学びになることが多い。
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