2015年10月18日日曜日

ちょっと物知りになれるコンサート

開演日までに1ヵ月をきりました。

いつ世に出ても不思議ではない実力を有していても、まだ世に埋もれているピアニストというのはいます。
今回はVOL5という記念すべき回数ともなり、聴くことが将来の語り草になると思います。

彼は、幼い頃師事したイヨルク デームス氏に気に入られ、「君は、ショパンを弾きたいのか?だったら、良い先生を紹介する。」ということで、ついたのが今はなきハリーナ先生でした。

ハリーナ・チェルニー=ステファンスカ: Halina Czerny-Stefańska)師は、
1992年第4回ショパン国際ピアノコンクールで第1位および最優秀マズルカ演奏賞を受賞された教授ですが、指導をうけるには誰でもというわけにはいかない先生でした。

ポーランドのご自宅まで度々レッスンに呼ばれ、音楽のつくりかたにつき薫陶をうけました。
音の粒を揃え、フレームを大きくとる技法もさることながら、クラシックピアノ音楽の芯にあるものを伝授されたことが大きい。
彼のリサイタルにも、ご存命中はよく来ていたので、顔を見られた方も多いと思います。

彼は留学生活もも長くて、ザルツブルグからプラハと10年をはるかに超します。
ピアノの名器であるスタインウエイの持つ、澄んで伸びのある音を引き出す演奏は、聴いていて思わず惹きこまれます。ピアノとは、こういう音なのだと・・・

彼はライフワークとして、小中学生のための学校コンサートを毎年していますが、その数はもう延べ2万人を超してています。
子供たちが相手でも、決して手を抜くことがないので、素直な子供たちの心に響くのか、演奏が終わっても周りに集まってきて、なかなか帰らないのが常です。
音楽の中にどれくらいのものを入れこんで表現しているかは、音楽に志した人たちは聴くとわかるみたいです。

11月6日()に、銀座の王子ホールで催される秋の定期リサイタルまで、後1ヵ月をきりました。
「ちょっと物知りになれるコンサート」と銘うっての演奏は今回でVOL5。
ピアニストというと、難しい顔をして出てきてただ弾くだけというのが多いけれど、このコンサートはお話つきでいつも楽しいので、是非お奨めしたいと思います。
演奏の才能と、お話しの才能を併せ持つ人は少ないから、その双方を堪能できます。

このページをご覧になった方は、何かのご縁かと思います。
遠くは北海道から毎回来られる方もいらっしゃいます。
是非お誘いあわせてご来場されますよう、心からお奨めします。



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