2019年9月16日月曜日

まだ中心に居ると思っているのだろうか


昔、中国に王光遠という人物がいた。鉄面皮の語源の由来となった人である。

彼は学問の才能に優れていて、科挙の試験のなかでも飛び切り難しいといわれている進士の試験にも合格した。
ところがこの男、出世欲が異常に強く、上役はもちろんのこと権勢を振るっている人にはツテを頼ってまとわりつき、ゴマをすりまくったのだと言われている。
その阿り方は恥も外聞もなくて、人前もはばからず太鼓もちのような真似でも平気でやっていたという。
あるとき、酔った相手がふとした拍子に鞭を手にして冗談紛れに「貴殿をこの鞭で打つが、よいのか?」と言ったところ「閣下の鞭なら、喜んで・・・・・」と躊躇いもなく背中を向ける有様。
同席していた人が「君は恥というものが無いのかね。理由もなくそこまでされて腹は立たないのか?」と言うと、光遠は平気な顔をしてこう答えたのだという。
「よく考えてみろよ。あの人に取り入ってさえいれば、悪いことになりはしないだろ。」

王光遠が、何らかの実績を残したとは聞かない。
それはそうだろう。こういう日ごろの言動が、周りからの信頼を得られる筈がない。
「進士王光遠、権豪を干索して厭う無く、或いは撻辱に遭うも、略ぼ改め悔ゆる無し。時人云う「光遠、顔厚きこと十重の鉄甲の如し」

文大統領が米韓首脳会談を願っているのだという。
このところギクシャクしている両国間の関係を修復するのが目的かと思ったらそうではなくて、米朝の核兵器の会合に取りまとめ役としてしゃしゃり出たいということらしい。
北朝鮮の金正恩氏からは、「韓国は米朝会談に一切口を出すな」と言われているし、先のG20会談の時にトランプ大統領が文大統領のことは信頼できないと言ったことが大々的に公表されたばかりである。
何をどうやって纏め役として働けるのか知らないが、当事国の双方から信頼されるどころか嫌われているのに、平気で会談しようと持ちかけるのが凄い。

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