2019年9月1日日曜日

発見したというけれど


Colunbus  discovered  America.
そういう文例で英語の教科書で習った。
コロンブスがアメリカ大陸を発見したという歴史がらみの話でもあったが、それに続く負の歴史というのは、教えられることはなかった。

Christopher Columbus 1446-1506)は大西洋を横断した航海者で、イタリアのジェノヴァの人だが、スペイン王の事業として数回にわたり新大陸の東岸を探検した奴隷商人でもあった。
1492年に新発見したというが、ちょっと待って欲しい。
ヨーロッパ人としては発見だったかも知れないが、そこには1億人を超える人たちが現に住んでいたのだから、コロンブスはアメリカ大陸に行ったと言わなければおかしいのではないのか?

それから僅か5百年ほどで、原住民は殆ど駆逐されてしまった。
南米諸国も、スペインやポルトガル人たちにより軍事的に征服されて、植民地として支配されたのである。殺戮と破壊、略奪の限りを尽くし、その地で築かれていた文化は壊滅した。
その先兵を努めたのが宣教師であるとしたら、彼らの言う神とは一体何なのだろう?

いずれの地も無人だったのではなく、原住民が平和に暮らしていたのである。
伝染病まで持ち込んだ結果、その地の住民が激減すると、アフリカから奴隷を連行して労働力としたというえげつなさを省みることは今に至るもない。
歴史というのは西洋史観によるのか、そういう負の部分に光が当たることはまずない。
しかし、現在に至るも世界で繰り返されている民族紛争などには、被植民地であったことが遠因ではなかろうかと思えるものが多いように思えてならない。

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