2019年12月26日木曜日

中国は食糧輸入国?


国力というのを表すのに表面的に理解しやすいのは、国土面積と人口であろう。
地下資源がどうなっているかだとかGNPがどうであるかだとか産業の発展度合いだとか文化教育がどうであるかとかの前に、端的に比較することができる。

昔には言われたことであるが、人口が6000万人というのが一つの基準であった。
それだけの人口が居ると、内需でも経済は回るということであったように思う。
どういうわけか、鉄鋼の生産量も6000万トンを国の力を示す時の境界線にしたようである。

米中貿易戦争が喧伝され、その成り行きにやきもきするが、単純に考えれば、まだまだ勝負にはならないと感じる。
近年急激に経済発展を遂げたとはいえ、中国は先進諸国からの技術移転によるところが大きく、その全てがそうだとは言わないが、基礎学問や基礎技術の蓄積では及ばないところがあるように感じる。
何より問題になりそうなのは食糧問題である。
国土面積は広いが、一人当たりの耕作面積ということになると、中国は米国には遠く及ばない。
一見農業国のように思われるが、土壌汚染対策をしないで来たことにより、農業生産物が食用に適さない土地が増えてしまったことにより、食料を輸入に頼っているのが現状である。
食料安全保障ということで比べてみても、米国は圧倒している。
日本もその昔、公害対策で苦しんだが、経済発展ばかりを優先させると、後に有害物質の除去のために膨大な費用を負担しなくてはならなくなる。
多民族国家であり、貧富格差も甚だしくなっている現状を鑑みたとき、人口の多さが有利に働くということよりも、足枷になりかねない。制度上の弊害がこの先吹きだしたら、抑えが利かなくなる可能性を抱えているから、安閑としてはいられまい。
国土が広いのに、まだ外の地を求める覇権などに気をとられていないで、他国のことに余計な口出しかも知れないが、国内を安寧に導いて欲しいと望む。

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