2019年12月8日日曜日

半導体製造シェアは変わりうる


酸化ガリウムを用いたダイオードは、圧倒的な高パフォーマンスを低コストで実現する画期的なものなのだという。
電力制御を行うパワー半導体の世界では、シリコンより半導体物質としてのパフォーマンスが高い炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)を活用する開発が進み、成果を出している。
例えば、鉄道車両ではシリコンのパワー半導体用いたインバーターを、炭化ケイ素を用いたインバーターに交換することで、最大40%という画期的な省エネ効果を生むとされる。
しかし、炭化ケイ素や窒化ガリウムによって実現される新型半導体の開発成果を無にしかねない恐るべき技術を開発した企業が現れたというから凄い。
それは京大初のベンチャー企業、フロスフィアである。
フロスフィアは、廉価に酸化ガリウムの結晶を作る方法を開発した。
この技術が、なぜ炭化ケイ素や窒化ガリウムの最新の成果を無にし得るほど、すごいのだろうかというと、シリコンに対する半導体物質の性能を現す数値として、バリガ性能指数がよく用いられているが、この数値を比較した場合、シリコンが1としたとき、シリコンをしのぐ省エネを実現する炭化ケイ素が340、窒化ガリウムが870となるのだという。
それに対し、酸化ガリウムのバリガ性能指数は何と3444であり、文句なしに圧倒的なのである。
同じ性能の素子であれば、損失が少なく圧倒的省エネを実現でき、サイズも文字通り桁違いに小さく作ることができる。
流石かつて半導体分野で世界を席巻した日本であると、誇らしく思う。
今後大した期間を経ずとも、実用化されるに違いない。
メモリー半導体でその供給量が世界シェアの過半数を占めた韓国は、変な自信を持ち過ぎた。
むかし日本が米国の圧力を受けて半導体製造から後退したときと同じで、韓国は虎の尾を踏んだのだと思う。赤い国に急速に接近する国に、いつまでもシェアの高さを許して置いてくれる筈がないと思わなかったのだろうか。
日本が戦略物資輸出規制を強化する政策の一環としたフッ化水素は、メモリー半導体の製造に不可欠であると言われている。
韓国がフッ化水素の輸入が滞ることでメモリー半導体製造量が減少したら世界は困るから、日本は規制強化を撤廃せざるを得ないだろうとお気楽に考えていたのだろうが、メモリー半導体の製造だけのことを言えば、日・米・台はいつでもそれにとってかわる実力を有している。
その上、半導体はメモリー半導体からLSIに移っていくといわれている。ここでも基礎研究がものをいう。
システムLSI (: system LSI) とは、一般的にマイクロコントローラを含んで組み込みシステム製品の主要な電子回路を1チップ程度に集積した半導体素子であり、SoC による具体的な部品という性格もある。
フッ化水素はその製造に不可欠だと言われているから、韓国はフッ化水素の使用量に関しての疑惑を払拭することをしないでGソミア破棄などという政策に固執したことで自らの首を絞めてしまったということになる。
この先の半導体の世界でこれまでのように振舞うのは難しいであろう。

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