2021年2月14日日曜日

アジア版NATOだと言われるが

 

今のNATO(北大西洋条約機構)は、軍事的というよりは政治的な組織で、クアッド(Quad:日米豪印4か国協力)をアジア版NATOと呼んでも問題はなさそうである。

NATOは冷戦期のNATOとは異なり、軍事面ではテロ対策、サイバー安全保障、弾道ミサイル防衛といった分野が主で、それ以上に軍備管理、エネルギー安全保障、環境といったより政治、社会的な分野で活動しているので、アジア版NATOと称されても特に懸念する必要はないだろうということである。

クアッドは、海軍の演習などはしているとはいえ、軍事同盟ではない。そもそもは中国を意識して作られたものであることは確かであるが、中国との対決を前面に出しているものではない。一般的には、中国の出方は今のところ「サラミ戦術」で、小さな行動を積み重ねることで時間の経過とともに有利な戦略的環境に変化させるというものである。尖閣諸島、南シナ海における中国の行動はこのようなものである。それに対しては、普段から警戒を緩めず、中国の小さな行動にその都度適切に対応していくことが重要である。

 さらに、ベトナム、韓国、台湾といった関係諸国、地域との協力も重要であるが、中国はこれらの国、地域に各種の圧力を加えている。クアッド4か国はこれらの国、地域と連携して中国の圧力に対処すべきであるというのは已むをえまい。

これに関し中国寄りの色を強める韓国はかなり後ろ向きで、それにより米国からの不信感が強まっていて、場合によってはこれから先無視され国際的に孤立化しかねない状況にある。二股かける癖は抜けないようである。

そればかりか、日本が竹島奪還にかかるとの見当違いな判断をして、海軍と空軍の増強を図る動きを見せるので、世界からの失笑を買っている。

韓国に替わって英国が参加する可能性が強い。空母を派遣すると言っている。

 日本にとってクアッドは、血からによる脅威を増す中国に対処するうえで、日本の考え方に合うものであるのではなかろうか。

米国は、中国との対決姿勢を強めているが、これはトランプ政権だけの問題ではなさそうである。米議会、世論とも中国に対する批判を強めている。その流れは、政権が替わってもすぐにどうこうできない問題である。

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