2021年2月27日土曜日

放っておくから益々踏み込んでくる

 

中国海警局(海警)の権限を定めた海警法が施行された。もう無茶苦茶な法である。

これにより、中国領内のことであるならいざ知らず、中国政府が、中央軍事委員会傘下にある「第二海軍」としての海警に、法執行機関の行動であるかのように偽らせて、明らかに日本領である尖閣諸島(沖縄県)や、領土問題が解決していない南シナ海の島々を、一方的に奪い取る恐れが高まった。

国際法に明らかに反する内容で、中国政府の侵略の道具としようとしていることは見え見えであり、決して許されるようなものではない。

日本側としても危機の段階が上がったことを認識して、尖閣を守り抜く具体的方策を講じるべきである。

海警法は、中国の主権、管轄権が外国の組織、個人から侵害された場合の武器使用を認め、中国の管轄海域内の海や島に違法建造物があれば強制排除できるとし中央軍事委の命令で防衛作戦を遂行すると明記したということにしているが、極めて自分勝手なものと言わざるを得ない。

中国政府は、海警の法執行の根拠を示す法律で、国際法や国際慣例に完全に合致していると主張しているが、こんな横暴な主張が罷り通るようでは、世界の平和は維持できない。

日中両国が加わっている国際法(国連海洋法条約)は、海上法執行機関に外国の公船に対する武器使用を認めていない。

日本の海上保安庁法は国際法に則って、武器使用の対象から外国公船を外している。

ところが海警法では、海保巡視船への武器使用ができる。明確な国際法違反である。

海警船が海保巡視船を砲撃あるいは銃撃したり、体当たりしたら、日本はどう対応するのか。尖閣にある灯台は日本の国有財産で、海保が保守管理しているが、海警が上陸してそれらを破壊する恐れもあるということになるのである。

日本政府は海警による海保への武器使用や尖閣上陸は法執行ではなく、日本の主権を侵害する軍事攻撃であり、そのような侵略は断固として排除すると、国際的にも大々的に表明しておくべきなのに、こと中国が相手となると、政府もマスコミも弱腰となって、中国は刺激しない方が良いという流れに持って行こうとするのは何故なのだろう。彼らはますます嵩にかかって踏み込んでくるだけである。

自衛隊の姿を示すのは日本から事態をエスカレートさせたとみられ不得策だというが、従来の日本政府の姿勢では、尖閣を守り切れなくなったと知るべきである。

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