2019年2月12日火曜日

根底にあるものを見定めないと


韓国には、以前は韓国中央情報部(KCIA)と呼ばれたものが、金大中政権下の1999年に改編され改称した「 国家安全企画部」(ANSP)というのがある。
日本にはスパイ防止法すらないから、情報戦ではどうしても負ける。
日本はスパイ天国と呼ばれて久しいが、軍事面だけでなく技術面でも機密保持が難しい。
知的財産は一朝一夕で成るものではなく、地道な研究努力と膨大な費用がかかっている。
最近の世界情勢は、これの保護に重きをなすようになっているのだが、日本で法制化できないのは何故なのだろう?

米中の貿易戦争というのが取り上げられている。
貿易収支の不均衡であったり、貿易上のルールが問題になっているかのように扱われているようだが、根底にあるのは知的財産の保護や、ファーウェイに代表される国と軍をバックにした通信への脅威への備えを、安全保障上もう限界だとして対処しようとしているようにも思える。
オバマ政権が弱腰とも思える対中政策で過ごしている間に、南シナ海には軍事施設ができてしまったし、アフリカや南米に過剰債務を負わせて港や資源を取り込もうとするのを、これ以上放置できないとして遅まきながら動こうとするから、どうしても過激になる。
そのときそのときに適切に対処してこなかったツケを一気に取り戻そうとすればそうなる。
日本の報道ではトランプ批判の方が多いけれど、ヒラリー政権が誕生して親中政策がとられていたら、日本は米中に挟撃されることになった可能性は高かったのではなかろうか。
情報というものは一方向からだけ見ていたのでは大局を見誤る。

2025年問題というのもある。中国はそれまでに半導体も自前で全部まかなうのだということらしいから、日本の通信体制も目先のことばかりでない対応が求められる。
要するに、戦略的に情報を収集・分析し、それに対処していかないと取り残されることになりかねないのが世界の流れなのだと思う。

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