2019年2月8日金曜日

植民地支配?


和田春樹・東京大名誉教授ら6人が6日午後、東京の衆院第2議員会館で「日本市民知識人の声明」を発表し、日本による植民地支配への謝罪を盛り込んだ1995年の村山富市首相談話などに基づいて韓国と北朝鮮に関連した歴史問題を解決していくべきだと日本政府に促したのだという。
そんな行動が、果たして日韓双方の将来のためになるかどうかは極めて疑わしい。
少なくとも国交回復の条約が成立したら、そこからの未来に協調することに、励むのが本来の筋なのではないのか?
歴史家103人や学者・研究者58人、作家、弁護士、社会活動家など日本の知識人計226人が署名したという。 和田氏らは、現在の韓日の非正常的な対立と緊張関係を懸念し、声明を発表することになったと説明したというが、過去から一歩も踏み出せない主張をニュースとして取り上げる価値があるのだろうか。
226人といえば、一見多く聞こえるようだが、日本の知識人の中のコンマコンマパーセントであろう。日本国民の大多数8割以上が、それに違和感を覚えるというのが現状であろう。
日本がこれまでにどれくらい謝罪を繰り返し、どれくらい多額の援助をしてきたか知らないわけではあるまい。何時まで経ってもきりがないのである。
少数意見を無視するわけではないが、日韓関係の改善を遅らせているのは、彼らが主張するようなことを今までの日本がやってきた結果なのではないのか?
そもそも、植民地というのが如何なるものなのかという定義を示してから主張しないと説得力は生まれない。

大航海時代に始まる西欧列強によるアジア・アフリカ諸国への植民地支配の時代は長く続いた。
身の毛もよだつほどの残虐行為を働いたことは、ちょっと調べるだけで夥しく出てくる。
植民地を持っていた諸国、それにともない戦争をした国々が、謝罪したことは一切ない。
それをしたのは、唯一日本だけである。日本は賠償もした。

世界各地で過酷な行為をしたのに、なぜイギリス人は植民地支配について恨まれないのか?
それは、絶対に謝らないからである。仮に文句を言われても謝りもしないし、ましてや賠償金を渡すことは絶対にしなかった。だから相手国も最初は文句を言ったが、いくらやっても無駄だと分かると、次第に無駄なことはしなくなった。
後は自国の歴史にも蓋をして、国民が忘れ去るのを待つ。

インドネシアは4年間も宗主国オランダと戦ったあげくに独立に至ったが、植民地支配の補償どころか、逆に60億ドルもの「独立容認費」を要求された。
この時勇敢に戦ったのは、日本軍に訓練されたインドネシア人であった。それを助けるために残ったと言われる日本兵は2000名。その半数は戦死したと言われる。
だから独立戦争を共に戦い、後に国の要衝に付いた勇者たちは日本に感謝している。
しかし、独立戦争には勝利したが、実際にはオランダに独立容認費を支払うことになった。ジャカルタに運河を敷いてやったろう、道路も作った、パレンバンの油田も開発した。それを払ってもらおうじゃないかというのが要求されたのであった。理不尽でもそんなのが歴史である。
日本が朝鮮にそれを要求したら、朝鮮が支払えるわけもなかったから、日本はそれを放棄したのである。損得勘定で言ったら、日本側の大損であった。

ちなみに、植民地支配をしていた国は、近代文明を与えたではないかと嘯いて終わりになるのが世界の共通認識である。

0 件のコメント:

コメントを投稿