2019年2月14日木曜日

チグハグ


このところの世界の流れを見ていると、チグハグ感をどうしても覚えてしまう。

ヨーロッパ諸国の中では、余り植民地を持っていなかったドイツが際立って発展したのに比べ、第二次世界大戦では戦勝国となったイギリスが植民地の殆どを失い、その後の世界では徐々に力を弱めてしまい、今は、ブレグジットで欧州から離れることで苦しんでいる。

ロシアは戦勝国となって、東欧諸国を支配下に治め共産主義化して勢いがよかったが、共産主義では国の発展を遂げることができないから、これも段々に経済力を弱めた。
日本に来るロシア人たちが、我々は戦勝国の筈なのに、日本の繁栄ぶりと比べて負けていると嘆くのだという。

アメリカは最大の権益を得たように映るが、戦後はソ連の共産主義と対峙せざるを得なくなって、長い冷戦時代を過ごした。
ルーズベルト大統領が選挙公約を破ってまで戦争をしたいがために、日本に先に手を出させたというけれど、アメリカが日本を叩きたかった最大の理由は、出遅れてしまった中国大陸での利権を確保しようとしたのが目的だったのではなかったのか?
ルーズベルト史観というのは根強いから、検証にはまだまだ時間がかかるだろうが・・・

しかし、中国と同盟して戦ったのであるから、当初の思惑とは大きくずれてしまって、中国大陸への権益を主張できなかった。
更にそのあと戦略を間違えたのは、蒋介石の国民党と同盟して戦ったのに、それを見捨ててしまったから、毛沢東の共産主義が内戦の結果中国を纏めて建国してしまったことであろう。
いつのまにか、その共産中国が国連の常任理事国になってしまった。
蒋介石と毛沢東が大陸を二分していたとしたら、朝鮮半島で今のような苦労を米国が背負い込むことはなかった。
更にさらに付言すれば、鄧小平以来、中国に資本と技術を投入したことにより、中国に力をつけさせ過ぎてしまった。その結果、アメリカを脅かすような動きを見せるようになったのも想定外だっただろう。
価値観が共有できない相手が、手を付けられないほど強くなってしまってからでは、打つ手が限られる。
いま安全保障上の問題だとして、遅まきながら対応しだしたのではないかと思われるが、かなり無理をしなくてはならない状況なのだと思う。

国境に壁をつくろうとしているのも、メキシコ国境からの不法入国者の多くが中国人だということで、それを阻止するためだと言っていたのがそもそもではなかったのか?
それが今では中南米からの貧困者が大挙して押し寄せるから人道問題化しているのであって、本来の狙いはそこではなかった筈。
なんかわからないけれど、チグハグ感が否めない。力による覇権を目指す国を排除しようと言うのは、放置していた期間が長すぎたことにより、簡単にはいかない。
国際問題を解決するには大義の立て方が難しいのである。

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