2019年7月4日木曜日

三権分立とは言っても優劣はある


三権分立というのは、中学校の社会科の時間に習った。
法治国家としては、ごく基本的な考え方である。
国の権力を一ヶ所に集中させない仕組みとして、立法権と行政権と司法権の三権を、別々の機関に受け持たせる仕組みをとる制度のことを指す。
立法権は国会にのみある。法律にもとづいて政治を行う行政権は内閣が最高権力である。そして、司法権は裁判所のみが持つ。
これら三権が、おたがいに監視しあいチェックすることで、権力の悪用を防ぐ。
·         国会(立法)と裁判所(司法)の抑え合い
国会には弾劾裁判所を設置できる権限があり、裁判官をやめさせることが出来ます。
一方で、裁判所は具体的な裁判の際に、(国会で作られている)法律が憲法に違反してないか判断できる権限があり、この権限を違憲立法審査権(いけんりっぽう しんさけん)と言う。
相互に別々の権限をもって監視しあうのである。
·         国会(立法)と内閣(行政)の抑え合い
国会の衆議院は、内閣不信任の議決ができます。 内閣は衆議院の解散を決められます。
·         内閣と裁判所の抑え合い
最高裁判所長官を指名できる権限があるのは内閣です。 いっぽう、裁判所は、違憲立法審査権で、内閣が作った法律や政令が憲法に違反してないか判断できます。( 内閣総理大臣も国会議員で、内閣のメンバーの多くも国会議員なので、内閣も立法が出来る。 )
国民と三権との関わり
国民は選挙を通して国会に影響力を持つ。
·         司法への国民の関わり・・・国民審査
また、最高裁判所の裁判官には、国民の投票による国民審査があり、もし裁判官としては相応しくないと国民投票の過半数で判断されることで弾劾される。
·         内閣への国民の関わり・・・世論
内閣には、直接的に国民が何かを投票する権利は無い。ただし内閣のメンバーも国会議員であるので内閣は世論の影響を受けて行動せざるをえない。

「三権分立」と言いはするが、その実は国会の影響力が、ほかの2つの権力よりも強い仕組みになっているのが現実である。国会の影響力を強くしている理由は、国会議員は国民からの直接の選挙で選ばれるのであるから、内閣や裁判所と言った他の2権よりも、国会のほうが民意を反映していると考えられるからである。即ち、国会の権限がやや強いということになる。
内閣は、日本では議院内閣制が取られているので、国会は内閣に対して影響力を持つ。
このような国会がやや強いしくみを、国会中心主義と言う。

こうしてみると、韓国の文在寅大統領が徴用工の判決について司法の判断だから何ともならないと三権分立を楯にして問題解決を放置してきたことも、普通に考えて理解しがたい。三権分立の意味を曲げて利用しているように感じるのである。
司法が誤った判断をしたのに、行政府も立法府も何の動きもなく放置するとしたら、国の制度として機能しないことになる。
こんなものを三権分立などとは言わない。
韓国に在るかどうか知らないが、日本の場合なら法務大臣の指揮権発動という手段だってある。
ましてや条約というのは、一般的に国内法に優先するのが国際ルールである。国と国との約束であるから、妄りに反故にすれば戦争になる危険性だってある。

それより以前の問題として、強制徴用と呼んでいること自体もおかしい。歴史事実は応募工だった筈だから、事実認定からして間違っているのではないのか?
更に続けて言うならば、1965年の日韓基本条約により、徴用工への未払い給料等は、韓国政府が払うという事で決着していたのであり、それを支払わないまま放置していたのは韓国政府である。
これに関しては、全て韓国の国内法の問題であり、日本側にとやかく言えることでないことは明白である。法治国家だというのなら、自国で処理するしか方法はないのである。
今頃になって条約を曲解して日本側に支払えという判決を出すことのどこが法治国家だと言えるのか。立法府からも行政府からもチェックが効かないで司法を放置していて国だと言えるのか?
日本相手なら何でも通せると思っているとしたら大間違いである。
日本側が飲めないことをいつまでも言うのは、どう考えても愚かとしか言いようがない。

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