2019年10月11日金曜日

大統領が文字の歴史を知らない?


中国では、王朝ドラマの放映を禁止する方向にあるのだという。
史実に基づかない内容や、権謀術策が描き出される筋立てが、世界から誤解を招きかねないということらしい。

それに対して韓国王朝ドラマは、相変わらずである。
捏造もさることながら、彼の国の身分制度のことが解からないと、演じられている役柄の思考や行動が理解できない。
李氏朝鮮時代(1392-1897年)の階級を大きく分けると、こんな感じである。

国王(王族)
両班(文官・武官である貴族階級)
中人
常人
賤民(非自由民)
白丁

李氏朝鮮(以下、李朝)の身分・階級制度は、大きくは良民(両班・中人・常人)と賤民(奴婢・白丁)に分けられている。そして良民の中でも最上級の階層が両班と言われ、彼らが科挙(クァゴ:과거、官僚登用の為の試験で中国のものを模倣した制度)によって登用される文武の高い官職や儒教の学者を親族の中から出した一族のことを指す。
続いて中人ですが、低い官職の役人や医官、技術者などの家系を指す。彼らは科挙の受験資格を持ち、金銭的に余裕があれば郷校(各地方の文廟=孔子を祀る廟とそれに付属した学校・教育機関)に通うことも出来た。
次いで常民は、一般的な通常の庶民のことで、農業・工業・商業などに携わる者たちである。但し彼らは原則として勉学の道を歩むことは禁止されており、科挙の受験資格も有していない。
最後に賤民についてですが、この階層は奴婢(使用人)、倡優(芸人)、僧侶、巫女などのことで、更に白丁は動物の屠殺等に従事する者などを指し、最下層の民とされていた。
この時期の身分制度は、ひとつ前の高麗王朝の時から伝わる社会的な伝統の上に築かれたもので、李朝の集権的な政治体制の確立及び政治・行政制度の整備とともに次第に固まっていきました。

人口比率に見る、中世・朝鮮の身分階級 の比率
1690年          1858年 
両班        7.6%        48.6%
常民       51.0%        20.2%
奴婢(奴隷)    41.2%        31.3%  

歴史事実から見れば、国民の半数近くは奴婢階級であったのであるが、現在の韓国人に彼らの先祖について尋ねてみると、殆どの人が自分の先祖は両班であったと答える。
人口比率から見てそんなわけはないから、嘘を言っていることになる。

嘘と言えば、ハングル文字もそうである。
10月9日は、韓国固有の文字ハングルの公布を記念する「ハングルの日」だということで、 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、ハングル制定から573年目を迎え、SNSに「植民地支配を受けていたころは、ハングルを守ることが即ち独立運動だった」と述べたのだという。
韓国人は、日本人が朝鮮人から文字を奪ったと教え込まれているらしいが、これも全くの嘘である。
大統領からして歴史事実を知らないのでは、両国民が理解し合えるわけがない。
日韓が併合した当時、朝鮮人の識字率は10%未満であった。
中国の属国であったから漢字を使っていたが、朝鮮語と漢文では表現が違うので煩雑であった。
朝鮮語に馴染む文字としてハングル文字があることを日本が見つけ出してきて、それを使って学校で朝鮮人たちに文字を教えることにしたのである。
それまで、ハングル文字は朝鮮では諺文(おんもん=卑しい字)と呼ばれていて、全く使われていなかった。
それが証拠に、朝鮮にハングル文字で記された文献はなかった。もしあるというのなら、教えて欲しい。それによる歴史書も文学書も皆無なのではないのか?
福沢諭吉たちが苦心して漢字とハングル文字まじりの教科書を作ったのである。
それにより、識字率は併合時に90%ほどに上がったのである。それなくして近代化は図れなかった。
正しい歴史を知ることなくての未来はない。

0 件のコメント:

コメントを投稿