2020年6月13日土曜日

国際変動に対応できるだろうか


中国の脅威が世界的に問題視されるようになってきているが、脳内お花畑状態で平和ボケしている日本では、このままでは対応しきれないのではなかろうか。

世界にはファイブ・アイズと呼ばれる組織がある。アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドという英語圏5ヶ国の機密情報ネットワークなのであるが、新たに日本、韓国、フランスを加えた「拡大版」の枠組みが発足した、というニュースが報道された。
この共同通信の記事では、「中国への牽制を睨んだ情報共有の枠組みに発展させる構想もあるという。米国は英語圏5ヶ国に友好国を加えた「ファイブ・アイズ+(プラス)」の拡大枠組みを通じて対抗することを目指している」のだという。

この機密ネットワークのメンバーとなるメリットは絶大だ。米国は世界的な衛星監視能力を有しているが、ネットワーク全体はそれぞれの加盟国の地域的な専門能力からの恩恵を享受している。例えば、オーストラリアとニュージーランドは極東地域における強みを有している。加盟国間で情報の責任分担を行っており、お互いに自国にとって難しい分野を補完し合っている。

5ヶ国間で情報を容易かつ迅速に共有することができるため、より迅速に個々の点と点とを結び付けることができ、共通の言語と法制度、文化も重要な意味を持っている。
が、なんといっても全面的な信頼関係が大きい。そのため、加盟国同士で指導者や当局者の電話を盗聴しないというルールがあり、その根底には、指導者同士の議論は完全な誠実さの下に行われるものだという信念があるからだ。

影響を受けやすいテクノロジー企業への中国の投資を制限し、習近平政権下で強まる外国政府・社会への浸透工作に対抗するための国家的な措置が次々と打ち出される中で、国際的な協調が加速している。201712月にオーストラリア政府は、中国の影響力に対する懸念から、外国のロビー活動と政治献金に関するルールを厳格化する新たな法案を明らかにし、国家反逆罪とスパイ活動の定義も拡大した。アメリカも特定の外国投資を封鎖する権限を政府に与える外国投資リスク審査近代化法(FIRRMA)を制定した。

日本のインテリジェンス・コミュニティは長い間国際的に後れを取ってきた。他国のインテリジェンス・コミュニティは、戦略環境の変化、技術の変革、インテリジェンスの失敗といった要因によって改革を迫られてきた。帝国主義時代の侵略的な拡大を経て、東西冷戦下の時代を経験しながらも、日本のインテリジェンス・コミュニティは、基本的には拒否反応の動きの方へと誘導されている。 
その結果、各インテリジェンス部門が生のデータと分析を共有することができなくなって、長期にわたって日本を弱体化させてきた。
これが現状における日本の弱点である。諜報活動はおろか情報を得る組織すらない。

コロナ後の熾烈な国際状況が予測される中、日本が生き残っていくためには、ファイブアイズに加盟することが必要であろうが、最低限でも「サイバー攻撃に対する備え」と「スパイ防止法の制定」は当然求められる。
それはそうだろう。弱点を抱える国が組織内にあったら、機密事項がダダ漏れになるからである。日本は、この分野で大きく立ち遅れてしまっているし、まごまごしていれば仲間外れとなって国際社会から大きく取り残される。

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