2021年7月12日月曜日

金を出すだけで口を出せない

 

国際連合(以下、国連)が予算の手当てができず、悲鳴を上げているのだという。

193か国とも言われる加入国での組織であるが、分担金未納の国が何か国もあるというから、何ともならない。

支払い能力だけのことではなく、国連の運営の仕方に不満を持てば、納入をストップするようになるのは予知できること。

日本は負担額が多いが、その割には文句をつけられることが多い。主要機関である安全保障理事会から何か言われることはないが、きちんと調べもせず難癖をつけて日本を責め立てる変な外殻機関の人件費もそこから払っているのだとなれば、甘い顔ばかりはしていられない。

 「2019年の通常予算に基づく活動に必要となる総額のうち、加盟諸国は70%しか納付していない。これにより、国連は9月末に23000万ドル(約250億円)の現金不足に陥り、このままでは流動性準備金も今月末までに使い果たす恐れがある」

 これは、107日にアントニオ・グテレス事務総長が国連事務局の職員37000人に送った書簡の内容の一部だ。10月末にも職員の給与や各手当の支払が滞る可能性があるため、コスト削減のために会合や会議を延期し、サービスを縮小する、としている。企業で言えば、事実上、倒産寸前だ。

 国連の予算は、国連憲章第 17条の規定により、全世界の国民総生産に占める加盟国の割合を出し、国民1人あたりの所得など多くの要因を考慮に入れて調整、総会の割り当てに従って加盟国が負担する。

これによると、2019年の予算総額は284900万ドル(約3100億円)。

分担率上限の22%の67420万ドル(約730億円)を米国が負担し、第2位は中国の33470万ドル(約360億円)、日本はそれに次ぐ第3位の23880万ドル(約260億円)の負担となっている。

問題となっている加盟金未納国は、アフリカ諸国や中東諸国が多いのだが、実は、分担率筆頭の米国も含まれている。

国連憲章第19条によれば、分担金の支払い延滞金額が、加盟国が支払うべきであった分担金の2年分になった時は、その加盟国は国連総会における投票権を失う。ただし、総会が延滞はやむを得ない事情によるものと認めた場合は、投票が許されることになっている。

 

国連が世界平和のために役立っているのかどうかとなれば、世界中で紛争が絶えないことを見ると疑わしい。

イデオロギーを争う政争の場になっているのだとしたら、存在意義が薄れる。

拒否権を持つ常任理事国というのがあることで、意見の一致が得られることも期待薄である。

分担金を負担することで国際的責任を果たすということではなく軍事力が背景でものを言うというのであれば、軍拡競争の原因にだってなる。

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