2021年7月15日木曜日

まさか市松模様が

 

ルイ・ヴィトン社が、日本の市松模様を商標権侵害として訴えるも敗訴したのだとか。

そうは言っても「商標権侵害として訴えて敗訴」の部分は正確ではなく、ルイ・ヴィトンの警告書によりウェブ販売サイトから商品を削除せざるを得なくなった神戸珠数店という企業が、商標権侵害の判定を特許庁に請求し、414日に、特許庁は侵害がない(問題の商品は商標権の効力の範囲に属さない)という結論を出したというのが話の流れであり、裁判所において訴訟が行なわれたわけではないらしい。

 

ここで言う「判定」とは、特許庁が特許や商標の権利範囲についての判断を示す制度であり、法律的な意味を持った言葉です。判定の結果は裁判所を拘束するわけではないですが、専門家の意見として重視されます。

商標権や特許権の侵害の警告書を受けた場合の対抗措置には、非侵害の確認訴訟を提起することも考えられますが、判定の請求は費用的にも期間的にも裁判よりも圧倒的に手軽なので、今回のようなケースには向いているのだという。

 

妥当な判断だと思います。なお、商標的使用でないとされたのは対象物品(神戸珠数店の商品の市松模様)であって、ヴィトンのダミエ柄が商標的使用ではないとされたわけではない。

一般に、グローバルな有名ブランド企業は、かなり無理筋の権利保護行為に出ることがあります。たとえば、「ペンパイナッポーアッポーペン」の商標登録に対してApple Pencilに類似しているとして異議申立をしたアップルの例などがあります。ちょっとでも似てる要素があればとりあえず権利行使してみるというやり方のように思えます。

 

日本には古くからの伝承に基ずくものが多く、独自なものとして何の問題もなく使ってきたが、模様も数多くあるから、これらを保護する備えが必要となるということになると、不便なことになりそう。

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