2020年5月24日日曜日

広い視野でみないと解らない


検察庁法の改正は、公務員の定年延長とともに廃案となりそうである。
検事長の定年延長が問題視されたのは1月のことであった。
内閣法制局の判断もあって、法の解釈が変更されたことを受けて、法的手続きを踏んで閣議決定されたのであり、野党側もこれには反対できない状況下にあったのだと思う。
引き続き検察庁法の改正が審議されることになったことで蒸し返されて大騒ぎになったのだが、一般国民が誤解するような報道があったのではないかと思っている。
検察と警察は三権分立の司法の側だと思っているが、その色合いが濃いことはその通りであろうが、厳密に言えば行政側の組織である。
省庁であるからその人事は省庁内で基本的には決まる。ただ、検事総長と次席検事および検事長は「認証官」であるから、認証手続きは内閣がする。そこに任命責任うんぬんが出てくる原因はあろうが、人事を内閣が決めるわけではない。
考えても見て欲しい。内閣や議員は選挙という洗礼を受けることで国民からのチェックを受けるが、強大な権力をふるうことができる検察官はどこでどうチェックされるというのか?
そこに触れることができないことの方が、もっと恐ろしいのではないのか?
行政の組織であるなら、内閣の影響があってしかるべきだと思う。

こうした観点から見てみると、いろんなことが想像される。
政府は、公務員の定年延長にさほど積極的ではなかった。
検察庁側は既得権益を侵されたくない。
マスコミおよび野党側は、黒川氏が嫌いである。
強大な権力を持つ組織というのは、その内部における権力闘争が激しいことは常識であるから、内部に次のトップ争いがあったとしても不思議がない。
大きな組織というのは内部から崩れる。黒川氏の麻雀日時は、内部からのリークがなければピンポイントで現場は抑えられない。
そうかといって、賭け麻雀を表沙汰にしたのはいいが、これ以上問題が大きくなることは避けたいから、国民の目を逸らすような報道に持っていく流れにしたい。
黒川氏の首一つで決着をはかることにしなければ、与野党もマスコミも検察も困ることになる。
生贄にするのであるから、処分が甘くなるのは当然である。
残るのは国民感情であるが、「汝らの中、罪なき者、まず石をなげうて」ということになって、時間はかかるが沈静化するのであろう。

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