2013年12月24日火曜日

盾の発達しなかった文化


中国の『韓非子』の故事に基づく「矛盾」とは、むかし楚の国に矛と盾を売り歩く商人がいて、矛を売る時は「この矛はとても鋭いので、どんな堅い盾でも突き通す」と言い 、盾を売る時は「この盾はとても堅いので、どんな鋭い矛でも突き通せない」と言っているのを、或る人がとがめて、「ならば、その矛でその盾を突いたらどうなる?」と聞いた故事。

 

原文はともかく、書き下ろし文は次の通りです。

 

楚人に盾と矛とを鬻(ひさ)ぐ者有り。
之を誉めて曰はく、

「吾が盾の堅きこと、能(よ)く陥(とお)すもの莫(な)きなり。」


又其の矛を誉(ほ)めて曰はく、

「吾が矛の利(と)きこと、物に於いて陥(とお)さざること無きなり。」


或るひと曰はく、

「子の矛を以つて、子の盾を陥(とお)さば何如。」


其の人応ふる能はざるなり。

 

矛盾についての話は、そういうことでありますが、日本の武器・武道においては、どういうわけか防御のための盾というのが無いように思えます。

刀にしても槍にしても両手を使うから、盾というものが出てこない。

潔いと言えば潔いのではあるが・・・国民性なのかしら?

 

0 件のコメント:

コメントを投稿