ピアニストである息子は、小中学校の生徒たちに本物のクラシックをレクチャー形式で聴いてもらうことをライフワークにしている。
中学校のときに、学校で催された本物の狂言師の舞台を見て感動したことがきっかけで、自分も将来そういう活動ができたら・・・ということから始まりました。
毎年5~10校訪ねて、実際にコンサートで弾く曲をリサイタルの時と同じ服装で演奏し、その音楽の説明を熱心に話すようにしています。
先日訪ねた中学校では演奏終了後、将来音楽の道に進みたいという生徒さんが3人ほど個人レッスンをしてほしいと帰らずにまっていたのだという。
ザルツブルグ、プラハと10数年に及ぶ留学で自分が苦心して身に着けたことでも、勿体ぶらず丁寧に教えている姿をみると、我が子ながら素晴らしいと思ってしまいます。
曲の組み立てをなしている柱の立て方、音のつながりの意味、基本的な練習の仕方などなど、自分が今までやってきて誰も教えてくれなかったけれど身に着けたことを、親身になって教えて喜ばれたという。今理解できなくても、心に残っていれば将来生きてくる。
彼はいう。先生についてレッスンをうけても、楽譜を渡されてそれを弾けと言われるのは、アルファベットをバラバラに渡されて順番通りに並べろと言われているに等しく、ましてやそれを単語にしろと言われても無理なのと同じで、手掛かりとなることを教えなくては、才能のある子であっても挫折してしまうことが多いのを沢山見てきたと。
それは、余りに惜しいことだと・・・
リサイタルをすると、車のトランクルームと後部座席は頂いた花で一杯になるが、レクチャーコンサートで子供たちが渡してくれる花は特に嬉しいらしい。
今回も帰宅するなり早速、花瓶に自分で活けて飾りました。
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