2015年1月21日水曜日

日本の刀の数え方


日本語における物の数え方というのは、床しい。

例えば、箪笥は一棹二棹と数えますが、運ぶときに棹を通して担いだからだといいます。

 

ところで、世界に冠たる日本刀は、一口(ひとふり)、一振り、一腰などのように数えます。

 

日本の刀剣は、鎧を着て戦った時代は太刀拵えといって、太刀緒で帯取りしたり鎧の太刀絡みに刃を下に向けて括り下げていたので、一振りとか一腰と呼ばれたのは判りやすい。

刀の別名の腰の物というのも、そんなあたりから始まっているのかも知れません。

 

馬上で戦うのに適した太刀(たち)も、武士階級が興隆する室町以降は、刃を上向きにして帯に手挟んだ「差料(さしりょう)」として、これまでの呼び方に加えて「口」というのが加わったようですが、この単位としての「口」は、刀を振り下ろして切り口を つけるという意味があるのだといいます。

武士は、刀に添えて脇に差す鐔付きの、刃渡り二尺未満の小刀(ちいさかたな)を差しますが、そのときには「口」「刀」「振」と数えるか、刀と合わせて「揃(そろい)」と数えたようです。

 

いわゆる帯刀が許されない身分の者が持つのは、鐔(つば)なしの脇差や、刀並みの刃渡りの長脇差(ドス)などですが、これは「本(ほん)」「挺(ちょう)」のように呼んだようです。

 

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