鍔の付いた大小を差しているのは、武士であることの証明でした。
浪人などが生活に困って差料を売り払っても、武士であることを捨てられないと、刀身を武光などに変えて、外見を保った。
町人たちが二本差しと呼んだのは、武士のことでした。
武士が締めていた角帯は、幅も広く厚手で、重い刀を固定するのに適しています。
角帯は、腰に三周回して後ろで結びますので(結び方にもいろいろある、帯と帯の間が二個出来ます。
脇差は体の外側の隙間へ、大刀は体寄りの隙間に刃を上にして差しますが、先に差す脇差しは体の正面寄りに差し、後から差す大刀は、大小の鞘の交差が90度位となるのが普通です。
1メートルほどの刀(もっと長いのを差す人もいた)を、抜く手も見せず刀身を鞘走らせる為には、鍔の位置関係や大刀をどのくらいのところで帯にとどめるかに工夫があったようです。
差し方にも色々あり、横から見て刀が地面と水平になっているような差し方を「かんぬき差し」と呼び、鞘尻が下がって柄が胸側に近づくのを「落とし差し」と呼びました。
着流しのときなどには、この差し方が多いように見えます。
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