2018年6月1日金曜日

ものにはコツがある

コツを掴むという言葉があります。
物事を行う上で、抑えておくべき大事な点のことを言い、別の言い方をすれば、 極意 ・ ポイント ・ 要領 ・ 秘訣 ・ 勘どころ、ということになります。

思い出すと、未だ中学生だったころのことだったと思うが、米俵1俵をひょいと肩に担ぎあげて運ぶということが自分には簡単にできていた。
今風に言えば、それは60kgの重さがある。地面に置かれたそれを持ち上げるだけでも、今の人たちには大変なことであろうが、苦も無くそれができたのは何故だろう?
コツが有るのである。大人たちがやっているのを見て、重さに捉われないやり方を自然に覚えたのだろうと思う。

そうして考えてみると、武術というものもそうなのではなかろうか。
体力が有り余る若者、あるいは壮年者が老人より強いということにはなっていなかった。そうでなければ、戦国時代の武士は、歳を取ったら戦場に出て手柄をあげることなぞできなかった。
経験を積むことや修行によって、体や武器の使い方のコツを身に着けていたからこそできたのだと思う。

歩き方もそうである。明治以降、手と足は逆に振り出して歩くようになったが、江戸時代まではナンバ歩きと呼ばれる手足を同方向で出すことが普通であったという。この方が疲れず速く長距離あるけたのだという。

近代になると理論が重視され、筋力トレーニングやら何やら、科学的に説明できないと受け入れられなくなってしまったが、大事なものを見失ってしまっているかも知れない。
武術は、筋肉を反動で使うのではないという。

普通では考えられないようなことができてしまうコツというのが、現実にはある。
先人の知恵を伝えていくことは大事なことだと思うが、それを知る機会が少なくなっている。


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