2018年6月23日土曜日

思惑が合致すれば敵同士だって組む?

国益が合致すれば、旧敵同士だった国々であっても共同して動くというのが国際関係である。
紛糾しているシリア問題を解決できるのは、アメリカではなく、ロシア・トルコ・イランなのだという。
この3国は、シリアの戦争に大きく関わっているが、政治的、軍事的、宗教的なものであるから、決して簡単ではないけれど、話し合いの場を持ったのだという。

ロシアはオスマン帝国と241年間で12回の戦争を戦っている。平均して19年ごとに露土戦争が起きている計算になるが、トルコはロシアと12回戦って10回負けた。
その都度、トルコは領土を大きく失ったから、いわば不倶戴天の敵ということになる。
トルコが親日的なのは、その憎い強敵ロシアに、日露戦争に勝ったということも、大きく影響しているのだという。
その他にも、日本ではあまり知られていないが、「エルトゥールル号事件」というのがある。
トルコの軍艦が日本訪問しての帰路、折からの台風による強風にあおられ紀伊大島の樫野埼に連なる岩礁に激突、座礁したエルトゥールル号は、機関部に浸水して沈没した。
樫野の住民たちは、総出で救助と生存者の介抱に当たった。颱風により出漁できず、食料の蓄えも僅かだったにも拘わらず、住民は衣類、卵やサツマイモ、非常用のニワトリすら供出するなど、生存者たちの救護に努めた。この結果69名が救出され、生還することが出来た。
遭難事故の20日後、日本の軍艦「比叡」と金剛」により神戸港で生存乗員を分乗させ、オスマン帝国の首都・イスタンブールに送り届けた
これを多として忘れていなかったトルコは、イラン・イラク戦争勃発時、日本ができずにいた邦人の救出を、危険を省みずやってくれた。有り難いことであった。

イランも親日国として知られている。
しかし、遠く離れた国とは仲良くできるが、近隣諸国ということになると、歴史上も良好関係を築くことは難しく、上記3国が同一歩調を組むことなぞ考えも及ばなかった。

シリアに問題があることは確かだし、ロシアは現政権と結んだ軍事基地の権益を、強かな国であるから決して手放しはしないだろうが、中東がいつまでも戦争していることは良くないことだというのも確かである。

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