2018年6月30日土曜日

口を出すななどと言っていられるのか?

ジュネーブ軍縮会議の全体会合が26日、国連欧州本部で開かれた。日本の軍縮代表部が演説で、北朝鮮に米朝首脳会談の合意に基づいて非核化に向けた行動を取るよう求めたのに対し、北朝鮮の代表は「当事国でない日本が口をはさむべきではない」などと反論した。
北朝鮮の代表は、4月の南北首脳会談での板門店宣言や米朝首脳会談の共同声明に「日本は署名していない」と強調し、日本は両会談の合意に基づく非核化に言及する立場にないと主張したが、会合では米韓も北朝鮮に非核化を促す発言をしたが、両国には厳しい態度を取らなかった。
結構なことである。口を出すなということであれば、金も出すな、ということである。
やる気があるのか疑わしい核兵器の廃棄は、莫大な費用がかかると言われているが、米国はそれを日本と韓国が負担させようとしていて、米国にはその気がない。
韓国がそれを一手に引き受けてできるわけがなかろう。
ましてやその後の経済援助ということになれば、日本抜きでできるわけがなかろう。

米国は過去に5回も騙されているから、首脳会談で署名することで言質を取った。米国は最小限の合意で良かった筈であるが、北朝鮮がそれを逃れる方法はあるまい。
逃れれば、後に残っているのは極めて厳しい制裁ということになる。
米国は、米国本土に直接的被害が及ばなければ多少の猶予は置くかもしれないが、核廃棄が終わらなければ、経済制裁を緩めることはしないということで一貫している。

緩い条約だったと批判されているが、トランプ大統領の狙いは、多分ほかのところにある。
北朝鮮に対しての対応に今一信用のできない中国への戦略ではないのかと思えるのである。
中国が制裁を緩めたら、それを口実に実施する政策を用意しているということである。
貿易がらみでの政策にそれが見て取れる。
南シナ海の問題もある。第7艦隊の使命は、太平洋とインド洋から中東に至る海。そこに制限を及ぼすような人工島なぞ我慢できるはずがない。
前政権下の政策で弱まってしまった米国の力を復活させようということであろうから、米国の軍事費を7兆円も増加させた。日本の軍事予算5兆円をはるかに超える。

いろいろいわれているが、これにより米国の軍関係者はトランプ側についたということであり、トランプ氏の支持基盤が強くなる。
米国は、防御ラインを日本にまで下げても大して困らない。
ただ、オーストラリアとインドを抜きにしての戦略はないのだけれど、この2国との関係が現段階で良好だとまでは見えない。
この2国と日本は、友好関係にあるから、日本が接着剤として動くことでうまく運ぶ。
それを織り込んだ戦略を重要視しているということではないのか。

日本が蚊帳の外などという人は、朝鮮や中国に阿るの余り、世界戦略を読み誤っているとしか思えない。世界情勢は、表面に現れているだけのものではあるまい。
北朝鮮が日本抜きでなにかできるのならやってみるがよい。日本がもっと本気になって、パチンコその他からの資金を完全に止めたら、どんなことになるか解かっていない。
北朝鮮はいつもの例で、強気の発言をすれば日本側にそれに従うべきだとする人が現れるのをよく知っている。
そんな狙いが今後も通用することは先ず無いと思った方がよかろう。


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