2018年7月2日月曜日

さて、中国はどうする?

米トランプ政権は、中国との貿易について、最後通告を言い渡したのだという。
北京で5月3~4日に開かれた米中の通商協議に先立ち、米国が提示した「枠組みの草案」は、中国がその内容を受け入れることは無理だというに等しい。
トランプ政権がそれが理解できないとは思えないし、それを気にもとめないほど傲慢なのだとも思えないということは、戦略的判断があってのことかも知れない。
これは、世界の2大超大国の関係を決定づけかねない問題点を含んでいることを考えれば、その昔、日本にハルノートを突き付けたときのことを彷彿させる。
当時の日本は、何としても米国との戦争を避けたくて努力したが、戦争をしないことを公約にして当選した米国大統領は、日本と戦争したいがためにとった行動に対応できる有効な手段が取れなかったのだとも言われている。
それはさておき、米国側は草案の中で、以下の「具体的かつ検証可能な行動」を要求している。
中国は、2018年6月1日から12カ月の間に対米貿易黒字を1000億ドル(約109000億円)削減すること。19年6月1日から12カ月の間にさらに1000億ドルを削減すること。
加えて、過剰生産を助長する「市場をゆがめる
補助金」は全て即刻廃止すること。また、知的財産権の保護を強化し、中国資本と外国資本の合弁事業において技術移転を求める慣行を撤廃すること。
 草案はさらにこう続く。「中国は、
サイバー攻撃や経済スパイ行為、偽造、海賊行為などにより、米国の技術や知的財産を得るのをやめることに同意する。
中国は米国の輸出管理規制を順守することに同意する
 中国による知的財産権の侵害を理由に米国が中国製品に高関税を課した措置について、中国は
世界貿易機関WTO)に、紛争解決制度に基づく米国との協議入りを4月に申し立てたが、この撤回も求めた
そして、「米国が新たに設けた制限事項を含め、米国が導入した措置もしくは計画している措置に対し、中国は報復措置を取らない。
中国は、現在発動している全ての報復措置を即刻停止すること」としている。
さらに草案では「IT(情報技術)産業の米国の国益に関わる部分や、安全保障上重要な産業への中国からの投資に対し、米国が制限を課していることに反対や異議申し立て、報復などの措置を取らないこと」としている。
その一方で「中国に投資する米資本の市場参入とその待遇は、公平かつ実効的なものでなくてはならず、差別があってはならない。そのためには外国投資に課している制限や外国資本の出資率や持ち株の要件を撤廃することも必要だ」という。
 加えて20年7月1日までに、「
国益に重大な影響を与えない部門」への関税を米国による関税と「同等もしくはそれ以下の水準」に下げるべきだとしている。
さらに、米国が指定するサービスや農産物などの市場への参入を認めるよう求めている。
 そして、これらの成果について四半期ごとに検証するという。中国が内容を守っていないと米国が判断すれば、関税や輸入制限を課す可能性がある。中国は米国のそうした措置に対し、「反対や異議申し立てなど、いかなる形の対抗措置も取らない」こととしている。
また、中国はWTO市場経済国としての認定を求めているが、これを撤回することも求めている。」
アメリカは本気で中国を叩き潰す気だということなのだろうか。
これでは習近平も慌てるはずであり、李国境を日中韓サミットに派遣したのは、この米中の緊張に耐えられなくなったためだと推量される。一帯一路でただでさえ資金不足のところに、アメリカからの資金が引き上げられれば、中国経済は崩壊することになる。
経済にしろ軍事にしろ、中国はバランスを崩すようなことを急激にやりすぎた。
いうなれば北朝鮮との首脳会談は表看板というか撒き餌のようなもので、本丸は別ということなのかも知れないのである。
一気に戦争という緊張関係にはならないだろうが、修正を迫られていることは間違いあるまい。


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