2016年11月12日土曜日

他国のことは解らなくて普通

日本人は、海外旅行はともかく、自分の在住する県から他の県に一度も行ったことがないという人は殆どいないのではないかと思う。
しかし、むかし倅がザルツブルグに住んでいたときの知人で、郊外にあるお宅を訪ね、そこに泊めてもらって近辺の城めぐりや観光名所を巡ったことがあるが、その時のけいけんでいうと、国による意識の違いはあるように感じます。
滞在中は、夜ともなれば彼が行きつけの飲み屋さんで、地元の人たちと仲良く騒ぎ語り合った。
彼らの中の何人かは、住んでいる村からさえ出たことがないという。
「こんないいところに住んでいるのに、何でそんな必要があるのだ?」と真顔で答えた。
はっきり言わせてもらえば、不便な田舎町というに近いところである。
ちょっと出れば有名な都市に行けるし、オーストリアと言えばユーロ圏に属しているから隣の国々までなら簡単に行くことができるのにである。
価値観の相違といえばそれまでだが、満足しているのならとやかくいうこともない。
飲んで歌って仲良く明るくしているので、すぐに親しくなれた。

米国の大統領選挙の報道を見ていて思い出したことがあります。
ユナイテッド・ステイツと言う通り、ステイツと言えば国である。州から一度もでたことがないという人もいるのだときいたことがある。

合衆国という括りでエスタブリッシュに支配されてきたことに不満を持っていた人が多くても不思議はない。
不満はあっても、今まで一度も選挙に行ったことがないという人も沢山いるのだという。
日本のように、そこに住んでいれば投票用紙が届くというシステムではなく、申請しなければ投票権を行使できないのだと聞いたが、今回の選挙ではそういう人たちが投票に出かけたというから、選挙結果が予想とはずれた原因のようにも思える。

外国から見ているだけでは、数少ないニュースに頼るしかなく、生身の感覚は判断できないし、読み取れない。
よその国のことに口出ししても始まらないが、大国の選挙結果は世界に重大な影響を及ぼすことは確かであろうが致し方ない。
そうであれば我が国も対応には力を合わせて知恵を絞らねばならないが、どこの国の人かわからないようなことをいっている人が多い状況下では、気がかりでならない。

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