2016年11月7日月曜日

絵画展を楽しめない事情の一つに

日本画の画伯の公演と作品についての説明があるという個展に招待されて、さる美術館に行きました。
会場には学芸員が沢山立ち会っていて、その数は異常と思える程でした。
引かれている白線の中にはいらないようにとの注意が最初にありました。

私はこの手の絵画展で写真撮影することはまずない。殆どの場合、注意される。
しかし、中の一人が写真を撮ったところ、すかさず絵画の著作権上の問題がありますので、写真撮影はしないで下さいと、皆に聞こえる大声で注意されていた。
それでありながら、講師の説明について回っていたとき、学芸員がその様子を何枚も写真に撮っていたので、言っていることとやっていることが違うのではないかと尋ねると、上席者という人のところに通された。
「著作権と肖像権はどちらが重いのか?」と聞くと「写真はホームページなどにアップすることはしないし、あくまで内部資料だ。」という。
「しかし、写真を撮るなと言った側がそれを破るのはいかがなものか。ヨーロッパの美術館などでは余ほどのことがないかぎり、ルネッサンスの絵画だって撮影可能だし、絵画のすぐ近くで鑑賞することができる。せっかく美術に興味を持った人たちの意欲を削ぐのは、貴方たち学芸員の意識によるところが多いのだから、観客への接し方は気を付けた方が良いのではないのか?」
といったところ、その人は良く解っていて、気を付けるようにするとのことであった。

事実、日本の他の美術館では、不愉快にさせない配慮をしているところも多い。
先日行った美術館では、見学に来ていた小学生たちに、女性の学芸員が絵画の見方などを優しく懇切丁寧に説明して、絵に対する興味を引き出そうと努めていた。小学生たちもそれを真剣に応え、口々に質問などをしている様子が好ましかった。

民度が育っていないのだとしたら、学校で絵画の鑑賞の仕方を教えるのも美術の時間に取り入れると良いと思うが。

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