2018年4月7日土曜日

桜の花を訪ねて

日本では「花」とだけ言えば、それは桜のことを指す。
花が散るといえば、思い浮かぶのは桜吹雪のことになる。
パッと咲いてパッと散るところに潔さを感じることも、花見を風流ととらえるのも日本人の感覚である。
昔から花が咲けば連れ立って花見に赴き、花の下で宴を催したりして、つかの間の美を楽しんできた。

桜は、バラ科スモモ属サクラ亜属に分類される落葉広葉樹であることはご存知の通りであるが、日本では鑑賞用途としては他の植物に比べてみても、特別な地位にある。
果実を食用とするほか、花や葉の塩漬けも食用される。

突然変異によるものもあるが、園芸品種が多く、花弁の数や色、花のつけかたなどを改良しようとの努力は、室町時代ころから続いているのだという。
固有種を含んだ10類の基本の野生種を基に、これらの変種を合わせて100種以上の自生種があり、さらにこれらから育成された園芸品種が200種以上あるのだとされる。
しかし実際にはそれ以上で、分類によっては600種ともいわれる品種が確認されているという。
江戸時代末期に出現したソメイヨシノ(染井吉野)は、明治以降、日本全国各地に広まり、各地に桜の名所ができた。
ソメイヨシノはエドヒガンとオオシマザクラの雑種が交雑してできた単一の樹を始源とするクローンであることが判明している。
韓国では日本の桜文化が羨ましいのか、ソメイヨシノ済州島自生説を唱えるが、DNA検査により否定されても、科学の証明すら認めることができず、未だに桜の時季になると起源説を蒸し返している。

どこが原産地であるかなど、我々にはハッキリ言ってどうでも良い。
桜を愛でることが日本独自の文化として広く定着していることに価値があるし、桜と言えば日本ということに世界では認識している。

写真は、半八重枝垂れ紅彼岸桜。飯田市座光寺の麻績神社(おみじんじゃ)前に咲く珍しい種類の桜。




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