2020年8月28日金曜日

2700年の歴史を軽く考えるわけにはいかない


日本は紛れもなく「世界唯一の単一王朝国家」であり、125代(今上陛下は126代目)2700年にわたって万世一系の天皇で継続している。ヤマト政権(律令国家の「朝廷」)は、一度も王朝交代は行われていない。
世界にこのような体制の国は他に存在せず、ローマ帝国でさえ1000年強の歴史である。どれだけ稀有の存在であるかを軽く考えるわけにはいかない。驚異的なことには長く培われた理由が伴っているのであり、賢しら気に今どき知りえただけの理屈付けをしてみても、歴史の積み重ねに説明がつくわけはない。
戦国時代の覇者を考えてみても、これまでに何人が新たな王朝を建てても不思議ない時代を経てきたが、いつの時代も将軍職や関白職により政権は執ったとしても、皇室の権威を残すことでは一致していた。
民草の皇室に対する尊崇の念を蔑ろにはできなかったということになる。
皇室に男子の継承者がいないことで、左がかった人が皇位の継承に関してすぐに口にするのは男女同権であるが、男女同権は何にでも当てはまるものではあるまい。
現に、男は子を産めない。
皇室の価値は男系のY染色体で連綿とつなげてきたことにある。染色体のことなど理解されていなかった頃からそうしてきたのは、もはや神の領域の判断であったとしか思えない。男系でなければ、血脈の継続性は適わない。女性天皇は過去に存在したが、それはいずれもその一代だけのことであり、女帝の子が次の天皇を継ぐことなく男系に戻った。系譜の正統性はそうして続いてきた。
戦後、共産主義革命を目指した者たちにとって、日本の家族の根幹をなす皇室は、どうしても壊したかった。けれども、日本人は権利の主張や個人的損得だけを考えることはない。
皇室は、日本の家族のありようを示し続けてきたのである。
共産主義者にとって、家族の絆というのは邪魔者でしかない。
だから、天皇制などというありもしなかった新造語を広めて、和の精神を壊そうとした。法概念から言っても言語的に言っても、天皇制などという言葉はそもそもない。
明治時代でさえ、立憲君主制という憲法に基づいた制度の統治であった。
天皇制などというのは、コミンテルンが共産主義革命を目指したときに作りだした言語であって、これを一般的に使用すること自体がおかしい。
天皇制?に賛成か反対かを言いたい訳ではない。長く続いてきた皇室という文化を、敢て否定しなければならないような積極的理由があるのかどうかということを考えるとき、そんな必要性はどこにも見当たらない。それをするとなれば、相当の時間をかけて議論を尽くしたうえで判断すべきことだと思うのである。
なくしてしまったら取り戻せないことに対しては、慎重であらねばならない。

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