2017年2月26日日曜日

福島とチェルノブイリが同レベル?

原発は事故が起きれば甚大な被害を及ぼすことは、紛れようもなく確かである。
であるからこそ、事故の結果については正確な事実の発表と報道が重要であることはいうまでもない。
危険であることだからからと言っても、事実を把握することなく拒否反応を起こす人がいるのを全て否定する気はない。
しかし、福島の事故がチャルノブイリと同レベルだと報道されるのには疑問を感じる。
ウィキペディアによれば、チェルノブイリの事故当時、爆発した4号炉は操業休止中であり、外部電源喪失を想定した非常用発電系統の実験を行っていた。
この実験中に制御不能に陥り、炉心が融解、爆発したとされる。
爆発により、原子炉内の放射性物質が大気中に、量にして推定10トン前後、14エクサベクレル放出された。これに関しては、広島に投下された原子爆弾による放出量の約400倍とする国際原子力機関(IAEA) による記録が残されている。
当初、ソ連政府はパニックや機密漏洩を恐れ、この事故を内外に公表せず、施設周辺住民の避難措置も取られなかったため、彼らは数日間、事実を知らぬまま通常の生活を送り、高線量の放射性物質を浴び被曝した。
しかし、翌4月27日に、スウェーデンのフォルスマルク原子力発電所にて、この事故が原因の特定核種、高線量の放射性物質が検出され、近隣国からも同様の報告があったため、スウェーデン当局が調査を開始。この調査結果について事実確認を受けたソ連は4月28日に、その内容を認め、事故が世界中に発覚したのであった。
当初、フォルスマルク原発の技術者は、自原発所内からの漏洩も疑い、あるいは「核戦争」が起こったのではないかと考えた時期もあったという。
ソ連政府の発表による死者数は、運転員・消防士合わせて33名だが、事故の処理にあたった予備兵・軍人、トンネルの掘削を行った炭鉱労働者に、多数の死者が確認されている。
長期的な観点から見た場合の死者数は数百人とも数十万人ともいわれるが、事故の放射線被爆と癌や白血病との因果関係を直接的に証明する手段はなく、科学的根拠のある数字としては議論の余地がある。
事故後、この地で小児甲状腺癌などの放射線由来と考えられる病気が、急増しているという調査結果もある。ウィキペディアには、こう、記述されている。
これでどうして、福島が同レベルだということになるのだろう。

事故直後、時の首相が福島原発の上空をヘリコプターで視察したことで、ベントにより水素爆発の防ぐための絶好の機会を失ったとも聞く。
当事、風は海側に吹いていて、ベントすることで放射性物質がそちらに流れれば、被爆した人は少なかっただろうともいわれる。さらには、避難誘導も単純に原発からの距離だけで考えて、情報はあるのに、風向きを全く考慮しなかったのだとも聞く。
報道は、原発は地震により破壊されたということにしているが、地震により破壊されたのではなく、津波により冷却用の電源が供給されなかったためであったという証言が広まることはない。

原発は、もし事故が起これば甚大な被害を及ぼすことは確実だから、ないに越したことはないとおもっているが、それと科学的事実の検証や解明は別なのではないのか?
事実の解明から目を逸らして、ただただ反対を唱えるだけでは、後々の教訓とすることにならないと思う。
本気で将来を考えるなら、国民が事実をしっかり把握できるようにするべきだと思う。

何故かというならば、原発廃止を真剣に捉えるならば、原子力というものについて正しい知識を国民が共通して持たなければならないからである。
不安を煽り立てるだけでは、決して前に進まない。
廃炉をどのように進めるか。放射性廃棄物をどこにどのようにして処理するか。核技術を持つ技術者をどのようにして継続的に保持するか、等々が国民の合意なくしては叶うまいと思うからである。

それらをしないままで、核に替わって電力エネルギーを得るのにどのようにしていくのか、という本来の目標からズレた論議をしていても始まらない。
ものごとを判断するための根幹は、できる限り正確な情報に基づかなければならないと思うからである。

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